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テーマ : 熱海市

能登3市町、基準強化前住宅6割 高齢世帯の耐震化課題 静岡県内は下田44%熱海35%

 輪島市は2日、被災者向け応急仮設住宅を報道公開。地震後の完成は初めてで、3日から18世帯55人が入居を始める予定。6日には珠洲市でも40戸が完成する見通し。
 分析したのは2018年実施の住宅・土地統計調査。全市区と人口1万5千人以上の町村が対象だった。最新版の調査は23年秋に行い、結果は今後公表される。
 18年調査で全1086市区町村の住宅総数に占める80年以前の建設割合は22%だった。能登町は61%となり全体で2番目に高く、次いで熊本県山都町の59%、高知県室戸市の56%、輪島市は5番目。最も低いのは、つくばエクスプレス沿線で、子育て世帯の転入も多い茨城県守谷市の6%。
 上位20市町の65歳以上の高齢化率(20年国勢調査)を調べると、52%の珠洲市を含む5市町が50%台。11市町が40%台となるなど、いずれも全国平均の29%を上回った。
 現行の耐震基準は81年に導入された。80年以前に建てられた家も耐震改修工事を行い強度を確保できるが、珠洲市の耐震化率は51%、輪島市は45%と全国平均の87%を下回っていた。

静岡県内 下田44%、熱海35%
 静岡県内の人口1万5千人以上の市町のうち、1980年以前に建てられた住宅の割合が最も高かったのは下田市の44%。熱海市35%、伊豆市32%と高齢化率が40%超の伊豆半島の自治体が続いた。統計に含まれない町を含め、費用面の不安などで耐震化に踏み切れない高齢世帯が多く、能登半島と状況は重なる。
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 高齢化率が42・7%(2023年4月時点)の下田市の住宅耐震化率は70・8%(18年時点、県平均89・3%)。市は耐震化が未実施の木造住宅を回り、無料耐震診断や耐震補強工事費を補助する「TOUKAI(東海、倒壊)―0」の活用を働きかけている。しかし、「耐震補強をしたくても『お金がない』と諦める人が多い」(担当者)。木造住宅の3分の1は空き家で、耐震化を滞らせる要因にもなっているという。
 同市より高齢化率が高い熱海市の耐震化率は83・8%。県内では能登半島地震以降、無料耐震診断の申し込みが増加傾向にあるが、同市には今のところ問い合わせがないという。担当者は「寝室だけ改修するなど自己負担を抑える方法を含め、地道に対策を呼びかけていく」と話す。県建築安全推進課の担当者も「耐震性のある住宅への住み替えや、防災ベッド、耐震シェルター設置に対する補助制度もある。命を守る対策を選択してほしい」と強調する。

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