土石流の復旧事業 市長に公開質問状 熱海・伊豆山の被災者ら
2021年7月の大規模土石流で被災した熱海市伊豆山の住民ら6人が7日、被災地の逢初(あいぞめ)川流域で市と県が計画している道路・河川の復旧事業に関して、市役所で斉藤栄市長に公開質問状を提出した。1カ月以内に意見交換の場を設けて公開し、回答するよう求めた。
質問状では、避難生活を送る被災者が帰還の可否や時期を判断する上で欠かせない復旧事業の「全容が見えない」と主張し、事業の詳しい工程表を提示していない理由を尋ねた。昨年8月に市に提出した「市伊豆山復興まちづくり計画」の修正案について、いまだに何も反応がないとして「一部の住民の声を無視するのか」とただした。
公開質問状を提出後、被災者の太田滋さん(67)が取材に応じた。道路・河川の復旧計画に必要な用地買収が6割程度にとどまっている現状を踏まえ、「(地権者である自身も含め)4割が計画に不同意ということ」と指摘した。市と県は昨年10月から今年1月にかけて住民説明会を地区別で7回、町内会別で3回開催したものの、太田さんは「膝詰めの対話がまだ足りない。私たちの考えを聴いてもらいたい」と訴えた。