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テーマ : 熱海市

尊富士2敗目 大の里3敗堅持 大相撲春場所14日目

 大相撲春場所14日目(23日・エディオンアリーナ大阪)は、勝てば110年ぶりの新入幕優勝だった尊富士が元大関の平幕朝乃山に寄り切られ、2敗目を喫した。尊富士は右足を負傷した。

取組を終え、車いすで運ばれる尊富士=エディオンアリーナ大阪
取組を終え、車いすで運ばれる尊富士=エディオンアリーナ大阪
取組を終え、車いすで運ばれる尊富士=エディオンアリーナ大阪

 大の里は小結阿炎をはたき込んで3敗を守った。豊昇龍は大関対決で琴ノ若に寄り倒され、4敗目で脱落。賜杯は尊富士と大の里に絞られた。千秋楽に尊富士が豪ノ山に勝つか、負けても大の里が豊昇龍に敗れれば初優勝が決まる。3敗で並べば平幕同士による優勝決定戦となる。
 新大関琴ノ若は10勝目。13日目に8度目のかど番を脱出した貴景勝は右大胸筋などの負傷で休場。関脇若元春は勝ち越した。翠富士(焼津市出身)は阿武咲に押し出しで敗れ7勝7敗、熱海富士(熱海市出身)は若元春に寄り切られ8勝6敗となった。十両は水戸龍が11勝3敗で単独トップ。

 ◇2敗 尊富士
 ◇3敗 大の里

V目前思わぬ展開 尊富士 足負傷  2敗目を喫した尊富士が土俵下で苦悶(くもん)の表情を浮かべた。勝てば優勝の一番で右足を負傷。救急車で病院に搬送された。1差で単独首位ながら千秋楽の出場は不透明な状況。新入幕のホープを思わぬ展開が待っていた。
 朝乃山に右四つで組み止められ土俵際へ後退。右からすくって残そうとしたが寄り切られた。何とか土俵に上がって礼をしたが、花道では付け人に肩を借りて歩き、車いすに乗った。医務室で取組映像を見届けた後、救急車に乗り込む際には痛めた箇所が白いギプスで固定されていた。
 千秋楽で敗れたとしても、3敗の大の里が負ければ優勝が決定。ただ、自身が休場ということになれば大の里が勝った時点で可能性は消える。今場所の速攻相撲を絶賛してきた八角理事長(元横綱北勝海)は痛々しい姿にぼうぜんとした様子。「軽症を祈るしかない」と言葉を絞り出した。
 優勝制度が確立された1909年夏場所以降、大正時代の14年夏場所で両国が果たして以来で110年ぶりとなる新入幕優勝を目前にしていた状況での負傷。土俵下で見守った浅香山審判長(元大関魁皇)は「最後の最後にすごく心配なことが起きてしまった」と案じる。鳥取城北高時代から膝のけがに苦しみながら、不屈の闘志ではい上がってきた尊富士。試練を乗り越えられるか。

 大の里は望みつなぐ
 入幕2場所目で23歳の大の里は、千秋楽に優勝の望みをつないだ。阿炎の突き、押しに後退したものの、冷静にはたき込み。「優勝を頭からかき消して臨んだ。3敗した時点でないと思っている。目の前に置かれた明日の一番を全力でやるだけ」と無欲を強調した。
 直前の一番で優勝争いで首位の尊富士が敗れ、右足を負傷したことにも動じず、幕内で2場所連続の11勝に到達した。千秋楽は先場所で敗れた豊昇龍戦。「12勝するか、11勝で終わるかは自分次第」と決意を示した。
 尊富士の状態によっては、昨年夏場所の幕下10枚目格付け出しデビューから、所要6場所での初優勝が転がり込む可能性がある。幕下付け出しでは、同じ石川県出身の輪島の所要15場所を大きく上回る快挙。「疲れは出てきているが、最後は気持ち」と闘志を奮い立たせた。

 宇良まさかの反則
 業師の宇良が思わぬ反則負けを喫した。土俵際で豪快な右下手投げで勝ったと思われたが、投げる際に左手で相手のまげをつかんでいたとして軍配差し違え。黒星が宣告されると、会場は悲鳴と怒号で騒然となった。
 支度部屋では「そんなつもりはなかった。気合が入り過ぎたかな」と悔しがった。

 白星 黒星
 ●…翠富士(2連敗で7勝7敗)「千秋楽もたぶん負けるでしょう。不戦勝以外で勝つイメージが湧かない」
 ○…霧島(陸奥部屋の力士として臨む最後の一番へ)「寂しいな。最後にいい相撲を取って、来場所に向かいたい」

 

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