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テーマ : 熱海市

大相撲春場所(7日目) 3大関が2敗堅持

 大相撲春場所7日目(16日・エディオンアリーナ大阪)は、新大関琴ノ若が明生を小手投げで退け、5勝目を挙げた。他の3大関は豊昇龍が小結阿炎を押し倒し、かど番の貴景勝は小結錦木を突き落とし、ともに2敗を堅持。霧島は隆の勝に押し出され、5敗目。

尊富士(右)が寄り切りで湘南乃海を破る=エディオンアリーナ大阪
尊富士(右)が寄り切りで湘南乃海を破る=エディオンアリーナ大阪
琴ノ若(左)が小手投げで明生を下す=エディオンアリーナ大阪
琴ノ若(左)が小手投げで明生を下す=エディオンアリーナ大阪
尊富士(右)が寄り切りで湘南乃海を破る=エディオンアリーナ大阪
琴ノ若(左)が小手投げで明生を下す=エディオンアリーナ大阪

 両関脇は若元春が5勝目を挙げたが、大栄翔は4敗目を喫した。熱海富士(熱海市出身)は王鵬にはたき込みで敗れ3敗目。翠富士(焼津市出身)は玉鷲を引き落として3勝目。
 新入幕の尊富士が7戦全勝で単独首位に立った。

新入幕の尊富士 7戦全勝 単独首位 光る速攻「気持ち負けない」
 若武者の勢いが止まらない。24歳の尊富士は7連勝と絶好調。7日目を終えて新入幕が単独トップに立つのは1991年九州場所の貴ノ浪以来で「まだまだだが、できることはしっかりやっている。それが日々の勝ちにつながっている」と表情を引き締めた。
 湘南乃海の巨体に思い切り当たり、左差しで右おっつけ。一気の出足で寄り切った。184センチ、143キロの体で速攻が光り「体は大きくないけど、気持ちでは絶対に負けない」と誇った。
 青森県出身で鳥取城北高、日大と強豪校を歩み、初土俵から所要9場所のスピード出世で新入幕。十両は1場所通過の快挙だった。躍進を支えるのは豊富な稽古量で、場所前は1日30番以上をこなした。稽古後はへとへとになり、部屋宿舎まで続く道路を指さし「ここに布団があれば、今すぐ寝られる」と冗談めかすほど追い込んできた。伊勢ケ浜部屋付きの楯山親方(元幕内誉富士)は「足は細く見えるが、土台はしっかりしている。下半身の角度、腰を下ろした時の構えがいい」と評した。
 場所前に痛めた脇腹のテーピングは外せないが、影響は全く感じられない。「怖さはない。土俵では鬼になって上がっている」との覚悟で闘っている。

琴ノ若「体が反応」
 琴ノ若は鋭い反応で2敗を守った。明生にもろ差しを許したが、思い切りのいい左小手投げで勝利。踏み込みの弱さ、脇の甘さを反省しながらも「しっかり体は反応している」と納得した。八角理事長(元横綱北勝海)も「守りが強かった。腰が崩れない」と新大関の安定感を解説した。
 照ノ富士の休場で横綱不在となり、8日目は結びの一番。過去5勝4敗の若元春は難敵だが、看板力士の責任を果たすべく「しっかりと土俵を務めたい」と気を引き締めた。

照ノ富士 休場
 大相撲の東横綱照ノ富士(32)=本名杉野森正山、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が春場所7日目の16日、日本相撲協会に「腰椎椎間板症で2週間は安静および治療を要する」との診断書を提出して休場した。4日目から3日連続で金星を与え、6日目を終えて2勝4敗と不振だった。今場所は横綱不在となった。
 先場所は3場所連続休場明けから復活優勝し、2場所連続10度目の制覇が懸かっていた。だが場所前の調整が不十分で、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「先場所と比べても良くなかった。稽古が足りず、力が出ない」と語った。夏場所(5月12日初日・両国国技館)に向け、春巡業の参加を検討するという。
 八角理事長(元横綱北勝海)は「今場所は気持ちが入っていないように見えた。目標を持っていかないとリハビリはできない。大変だろうが、また戻ってきてほしい」と復帰を望んだ。
 照ノ富士の休場は2場所ぶり20度目で、横綱在位16場所で9度目となった。7日目の対戦相手、翔猿は不戦勝。

先場所復活Vから一転 苦境 「疲れ残る」32歳 忍び寄る肉体の限界
 先場所の復活優勝から一転、照ノ富士が再び苦境に立たされた。場所前に「いろいろな疲れが残っている」と語り、稽古不足は明らかだった。中に入った相手に寄り切られる場面が相次ぎ、音羽山親方(元横綱鶴竜)は「負けた相撲が全部同じ内容。攻略法を見つけられた感じだ」と今後への懸念を語った。
 今場所は6日目の隆の勝戦のように、懐に入られると小手に振って呼び込む負け方で4敗。音羽山親方は長期休場明けの先場所を「横綱がどのような相撲を取るか、相手も手探りな部分があった」と分析。再起を懸けた初場所のような闘争心も伝わってこず、下半身も細い印象がうかがえた。
 腰や膝に不安のある照ノ富士が2場所連続で15日間を皆勤したのは、一昨年の名古屋場所が最後。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「2場所、3場所となるとなかなか…。ダメージがゼロということはないから」と場所後の回復に時間を要する状況を明かした。
 32歳の横綱は2桁優勝を目前とし「できるだけ早く達成したい」と話していた。肉体の限界が忍び寄る中で、気力との闘いに耐えられるか。

大の里に「土」
 ○…大の里は先場所に続いて阿武咲に敗れ、全勝が止まった。上体が起きたまま強引に寄った土俵際のすくい投げで体を入れ替えられた。ここまでは形にこだわらずに攻める姿勢が白星街道につながったものの「不利な体勢で寄ってしまった」と悔しがった。
 阿武咲には新入幕だった先場所3日目で鋭い出足に圧倒され、幕内初黒星を喫した。23歳の大器は「先場所の完敗よりは良かったけど、詰めの甘さが出た。しっかり修正して頑張る」と課題をかみしめた。

 

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