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テーマ : 熱海市

2024年は賜杯なるか 熱海富士、翠富士 大相撲に静岡旋風

 大相撲に静岡旋風が巻き起こっている。主役は、2場所連続で頂点に迫った熱海富士(21)=熱海市出身=と、幕内最軽量115キロで豪快な取り口を見せる翠富士(27)=焼津市出身=だ。飛躍の1年を終え、幕を開けた2024年。いよいよ県勢初の賜杯を抱く年となるか。
photo03 さらなる飛躍を誓う翠富士(右)と熱海富士=23年12月中旬、広島県東広島市(写真部・小糸恵介)
次こそ賜杯を 熱海富士 photo03 大相撲巡業「東広島場所」の湘南乃海(左)との取組で立ち合う熱海富士=2023年12月中旬、東広島市(写真部・小糸恵介)
 186センチ、181キロの大きな体に無限の可能性を秘める。熱海富士は昨年、正攻法の四つ相撲はそのままに、低く鋭い立ち合い、細やかな技に磨きを掛けて大躍進した。秋場所は大関貴景勝と優勝決定戦を戦い、九州場所は14日目に11勝2敗の首位同士で大関霧島と結びの一番で激突。そこで味わった悔しさが、21歳の若武者をさらに成長させている。
 上位総当たりが確実な初場所は14日開幕。年6場所制となった1958年以降初土俵の力士(付け出しを除く)の最速優勝記録として、貴花田(後の貴乃花)と朝青龍の24場所を更新できるのは7月の名古屋場所までだ。「結び、決定戦と一通りのことはやらせてもらった。あとは一番一番、自分の相撲を取りきって結果が出ればいい」。見据えるのは頂点だけ。愛嬌(あいきょう)たっぷりの笑顔の裏に決意がにじむ。
充実の「業師」 翠富士
photo03 大相撲巡業「東広島場所」の遠藤(左)との取組で立ち合う翠富士=2023年12月中旬、東広島市(写真部・小糸恵介)
 174センチの肉体を鍛え上げ、代名詞「肩透かし」の切れ味は鋭さを増す-。翠富士が充実の時を迎えている。昨年は初日から10連勝した春場所を皮切りに年間3度の勝ち越し。九州場所も終盤まで首位を1差で追った。
 今年で5人となる伊勢ケ浜部屋の飛龍高出身者では最年長の27歳。弟弟子の熱海富士は躍進し、九州場所は同郷の聖富士(19)が幕下優勝した。後輩の成長を喜びつつも、「抜かれたくはない。その気持ちがあるから頑張れている」と闘争心を隠さない。角界きっての「業師」は、今年も土俵を沸かせてくれそうだ。
(運動部・山本一真)

 あたみふじ・さくたろう 本名・武井朔太郎。2002年9月3日生まれ。小学6年で相撲を始め、飛龍高から伊勢ケ浜部屋に入門し、22年九州場所で新入幕。23年は秋場所、九州場所とも11勝4敗で敢闘賞を受賞した。186センチ、181キロ。21歳。

 みどりふじ・かずなり 本名・庵原一成。1996年8月30日生まれ。飛龍高で活躍し、伊勢ケ浜部屋に入門。2020年九州場所で十両優勝すると、新入幕の21年初場所で技能賞を獲得した。得意技は肩透かし。174センチ、115キロ。27歳。
 

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