あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 熱海市

子ども守る意識高めて 被害者遺族が熱海で講演 大阪・池田小無差別殺傷事件

 2001年に大阪府池田市の大阪教育大付属池田小で発生した無差別殺傷事件の被害者遺族、本郷紀宏さん(59)の講演会が19日、熱海市のMOA美術館で開かれた。当時7歳の長女優希さんを亡くした本郷さんは「学校や地域で子どもの安全を守る意識の向上が大切になる。悲劇を二度と起こさない社会づくりを」と呼びかけた。

本郷さんの講演に耳を傾ける聴講者=熱海市のMOA美術館
本郷さんの講演に耳を傾ける聴講者=熱海市のMOA美術館

 児童8人が殺害され、教職員を含む15人が重軽傷を負った池田小の事件について、本郷さんは「社会全体に衝撃を与え、学校の安全神話を崩壊させた」と指摘した。いつも通りに学校に向かった娘の命が理不尽に奪われた事件当日の様子を振り返り、「苦しみ、悲しみは永遠に続く。安全管理を徹底していれば被害を防げた」と悔やんだ。
 池田小の事件後、不審者対応マニュアルや防犯カメラなどの安全対策が全国各地で進んだが、学校や通学路で子どもが巻き込まれる犯罪は後を絶たない。本郷さんは「ハード、ソフトの両面で安全を守る対策が急務。学校と地域の高い危機管理意識の下、未来ある子どもの明るい社会を築いてほしい」と願った。
 本郷さんが県内で講演するのは初めて。熱海署と同署犯罪被害者支援連絡協議会が講演会を主催し、警察官や教職員、警察ボランティア、自治会関係者など約250人が聴講した。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

熱海市の記事一覧

他の追っかけを読む