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テーマ : 熱海市

共産委員長に田村氏 女性初、23年ぶり交代 志位氏 議長に

 共産党は18日、熱海市で開催した第29回党大会で、志位和夫委員長(69)が退任し、後任に田村智子政策委員長(58)を充てる人事を決定した。委員長交代は2000年11月以来、約23年ぶりで、女性が委員長に就任するのは初めて。志位氏は議長に就き、小池晃書記局長(63)は続投が決まった。党大会は4日間の日程を終えて閉幕した。

共産党の党大会閉幕後に記者会見する新委員長就任の田村智子氏。手前から2人目は議長就任の志位和夫氏=18日午後、熱海市
共産党の党大会閉幕後に記者会見する新委員長就任の田村智子氏。手前から2人目は議長就任の志位和夫氏=18日午後、熱海市

 執行部の世代交代を進めることで、低迷が続く党勢の立て直しを図る狙いがある。
 田村氏は大会閉幕後の記者会見で「責任の重い役職だ。党の成長、発展のために力を尽くしていきたい」と強調。次期衆院選に関し「野党共闘の再構築に全力を挙げる。党の躍進を勝ち取る」と決意を表明した。
 田村氏は10年参院選で初当選。19年に「桜を見る会」問題に火を付け、20年の前回党大会で女性初の政策委員長に就任した。今回の党大会では大会決議案の起草責任者と報告者を務めた。
 志位氏は1990年に35歳で書記局長となり00年に委員長就任。党運営の中枢を担ってきたが、歴代最長の在任期間に対し世代交代への期待が高まっていた。党大会で志位氏は「田村氏が素晴らしい活躍をすると確信する」と激励した。
 不破哲三前議長(93)は、党の方針や運営に決定権を持つ中央委員に就かずに名誉役員となり、共産党の最高指導部から退く。田村氏の後任の政策委員長は山添拓参院議員(39)が務める。
 党大会では、次期衆院選に向け、野党共闘の再構築を目指す方針を盛り込んだ大会決議を採択した。岸田政権を「経済無策」「大軍拡の道を突き進んでいる」と批判し、退陣に追い込むと強調。衆院選については比例代表を軸に獲得議席増を狙うとした。

 桜を見る会追及で脚光  共産党の新委員長に決まった田村智子氏は、2019年に問題化した首相主催「桜を見る会」を巡り当時の安倍政権を厳しく追及し、一躍脚光を浴びた。
 田村氏は10年参院選で初当選するまで、国政選挙に5回挑戦して落選を繰り返した苦労人だ。街頭演説では歯切れよく訴え、聴衆を引きつける。20年の前回の党大会で党政策委員長に抜てきされ、経験を積んできた。党内では「明るくさわやか」(関係者)との印象を持たれている一方、党方針と異なる意見を口にすることもあり「理解が浅いのではないか」と不安視する声も漏れる。
 長野県にある実家は文具店を営んでいた。趣味は読書や映画観賞に加え、学生時代に親しんだコーラスも楽しむ。昨年、支持者向けに開かれたイベントでは美声を披露した。子ども2人を育てた58歳。

 田村智子委員長の略歴
 田村智子氏(たむら・ともこ)早大卒。党政策委員長。58歳。比例、参院当選3回。長野県小諸市出身。

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