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ガイドと巡る“ディープな伊豆” サイクリングイベント・いずかのライド 地元グルメ パワーの源に【しずおかアウトドアファン】

 伊豆半島の中央部に位置する伊豆の国市と周辺地域は、狩野川をはじめとする自然景観や土地に根ざした食、歴史を感じられるさまざまな史跡など見どころの宝庫だ。10月下旬~11月中旬に全3回の自転車ツアーを実施した「伊豆狩野川ガイドサイクリング(いずかのライド)」の初回に同行し、地元在住のガイドが紹介する“ディープな伊豆”に触れた。
 (生活報道部・草茅出、山本淳樹)
城山をバックに狩野川河川敷を行くガイドサイクリングの参加者=10月29日、伊豆市瓜生野
 初回は「満腹つまみ食いグルメと雄大な大自然を満喫する伊豆市ツアー」。県内外から参加した12人が約35キロの道のりに挑戦した。数人のグループごとにガイドが付き、立ち寄り先の情報や地域の歴史、地形の成り立ちなどを分かりやすく説明した。
 10月にオープンしたばかりの狩野川神島公園(伊豆の国市)を出発した一行は、旧大仁町のシンボル城山の荒々しい山肌を眺めながら狩野川沿いを軽快に走った。ジオサイトになっている伊豆市の旭滝を見学し、道の駅伊豆月ケ瀬を経由して旧天城湯ケ島町の上流方面へ。東司(便所)の守護神をまつり“トイレの神様”として親しまれる明徳寺で折り返し、伊豆箱根鉄道の修善寺駅周辺を通って出発地点に戻った。
コースには狩野川に架かるつり橋も=伊豆市の松ケ瀬橋
コース上の飲食店で焼いたアユを楽しむ参加者=10月29日、伊豆市内
立ち寄り先でおはぎを味わう参加者=伊豆市青羽根の狩野ドーム
 参加者が出発前から楽しみにしていたのが、立ち寄り先の観光スポットや店舗で次々と振る舞われる地元の食べ物。伊豆市の銘菓の一つ「猪最中」を手始めに、人気店が手がけるおはぎや焼き草餅、アユの塩焼き、カレーパン、メンチカツなどに舌鼓を打ち、この地域ならではの食の魅力を堪能した。
 スポーツ自転車を今年から始めたという安森真弓さん(50)=伊豆の国市=は、自動車では気付かない場所を見つけられるのがサイクリングの醍醐味[だいごみ]と感じている。「(いずかのライドは)食べ物も魅力的。修善寺の知らないところにも行けて道の駅も楽しめた」と笑顔を見せた。袋井市から参加した鈴木潤さん(54)は「ガイドさんがいるとペースをつかみやすく、走りやすい。自分一人では寄らない店も紹介してくれてよかった」と満足した様子だった。
 伊豆狩野川ガイドサイクリングは、実行委と伊豆の国市観光協会が主催。2000年に始まった「狩野川100キロサイクリング」の後継イベント「ライド&ライド伊豆狩野川」の名称を変更し、初めて開催した。
世界遺産として登録されている韮山反射炉=伊豆の国市中
歴史やアニメ テーマ多彩  いずかのライドは、いずれも伊豆の国市が発着点。伊豆に配流された源頼朝が過ごしたとされる場所にある蛭ケ島公園、世界遺産の韮山反射炉、江川邸など市内の歴史スポットを訪ねたり、人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」ゆかりの三の浦総合案内所(沼津市)、富士山ビュースポット西浦江梨などを巡ったりするコースも設定した。
 実行委員長の長谷川英一さん(59)によると、伊豆の国市と周辺は観光スポットが自転車で巡るのに適した範囲に点在し、20~40キロほど走れば充実したサイクリングが楽しめる。
 伊豆箱根鉄道や伊豆縦貫道などがあり、県内外からのアクセスは良好だ。レンタルサイクリングの拠点もある。長谷川さんは「将来的にはガイドが自立し、いずかのライド以外でもサイクリストを案内できるようになるのが理想。地域活性化とサイクリングの振興を目指したい」と話す。
いずかのライドの主な立ち寄りスポット

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