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裏金疑惑で4閣僚交代 静岡県民も失望「国民に厳しく身内に甘い」

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金問題を巡り、岸田文雄首相が同派の松野博一官房長官ら4閣僚を事実上の更迭で交代させた14日、岸田政権で相次ぐ不祥事に県民からは「国民に厳しく身内に甘い」「何のための国会議員なのか」と憤る声が上がった。物価高などに苦しむ国民の信頼を失い、支持率も急落した岸田首相は今後も厳しい政権運営が予想され、県民の間に「今後の日本を見通せず、閉塞(へいそく)感がある」と失望感が広がった。
清和政策研究会が入るビル=14日早朝、東京都千代田区 「内閣の体制が変わっても体質は変わらないと思う。あれこれ望んでも改善されないだろう」裏金問題を指摘された安倍派4閣僚の交代を、袋井市の会社員木下光広さん(66)は冷ややかに受け止めた。国民の信頼回復に向けて岸田政権には「良いことも悪いことも情報を隠さず国民に示す姿勢を心がけてほしい」と注文を付けた。
 一般市民の金銭感覚とはかけ離れた「政治とカネ」の問題発覚にあきれムードが漂う。生後10カ月の娘を育てる静岡市葵区の会社員藤田円香さん(31)は「生活が圧迫される中で高額な金銭が絡む不祥事に驚いた。国民に対して不誠実ではないか」と不満をあらわにした。岸田政権は子育て支援の充実を重点施策にうたうが、娘を妊娠中の時から現在まで状況の改善は実感できないといい、「気持ちを改めて政策に集中して」と要望した。
 静岡市清水区の会社員鈴木操さん(60)も自民党の金権体質に不信感を示しつつ、「代わりに誰が政治をやるかとなると他の候補者に希望を抱けない」と野党の力不足を問題視した。
 市民目線に立った政治活動や政策展開を求める声も相次いだ。浜松学院大3年の松下あかりさん(21)=浜松市中区=は「物価が上がる中、アルバイト収入で何とかやりくりしているが非常に厳しい。政治は若者のことを見てくれていない」と指摘。金属加工会社経営の伊藤博高さん(42)=沼津市=は「原材料価格や燃料費が高騰する中で従業員の賃金を上げているが企業努力では限界にきている。身内の問題に時間を割くのではなく、国が抱える大きな問題に対して政治がやるべきことをしっかり取り組んでほしい」と訴えた。  副大臣辞任の宮沢氏「悔しい」 報道陣の取材に応じる宮沢博行衆院議員=14日午後7時ごろ、静岡市葵区 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題で、14日に防衛副大臣を辞任した安倍派の宮沢博行衆院議員(比例東海)は同日、静岡市内で取材に応じ、「国防、安全保障に関わるために国会議員になり、ようやく副大臣になったばかりだった。とにかく悔しい。一生忘れない」と就任から3カ月足らずでの“更迭”に無念さをにじませた。
 宮沢氏は、13日に国会内で140万円の不記載があったことや、派閥からかん口令が出ていたと明らかにした。宮沢氏は14日、改めて自らの政治資金収支報告書への不記載を明らかにすることを派閥に止められたとの認識を示した。
 安倍派離脱については「派閥内の同志と意見交換し、派閥の再建を目指すか、別の方法をとるか慎重に考えたい」と答えた。
 静岡市内で医療関係者の会合に出席し、「(政府の立場ではなく)一議員に戻った。代弁者として頑張る」とあいさつした。

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