テーマ : 袋井市

袋井発スパークリングティー 「乾杯」を変える 世界が称賛

 しずおか生まれのスパークリングティー(発泡性茶飲料)が世界から絶賛された。開発したのは、袋井市の茶業関係者らでつくる晩茶研究会。茶の新たな可能性の発掘を目指して試行錯誤を重ね、乳酸発酵茶を原料とした「bodhi(ボーディー)」を生み出した。「このノンアルコール飲料は世界の『乾杯』を変えられる」―。審査員からの賛辞に押され8月下旬、シンガポールで開かれた「にっぽんの宝物 世界大会2023」の「日本と海外の融合部門」でグランプリに輝いた。

世界大会グランプリ受賞の報告に訪れた晩茶研究会メンバーら=9月上旬、袋井市役所
世界大会グランプリ受賞の報告に訪れた晩茶研究会メンバーら=9月上旬、袋井市役所
世界大会で披露されたスパークリングティー「bodhi(ボーディー)」
世界大会で披露されたスパークリングティー「bodhi(ボーディー)」
世界大会グランプリ受賞の報告に訪れた晩茶研究会メンバーら=9月上旬、袋井市役所
世界大会で披露されたスパークリングティー「bodhi(ボーディー)」


晩茶研究会にグランプリ「可能性示せた」
 晩茶研究会が活動を始めたのは2019年。安間製茶(袋井市)の安間孝介さん(44)、池田園(同市)の池田佳正さん(51)、長峰製茶(焼津市)の多々良高行さん(51)が中心となって新しい茶商品の開発を続け、ついに、世界の料理人らに認められる「ボーディー」にたどり着いた。
 ボーディーは袋井市豊沢の茶を天然乳酸発酵した後発酵茶「菩提(ぼだい)酸茶」のノンアルコール炭酸飲料。健康効果が期待できる茶の特性はそのまま、華やかな香りと爽やかな酸味が楽しめる。世界大会に向け、香りを保ちつつ晩茶の渋みは抑え、幅広い国、世代で楽しんでもらえるように改良を重ねてきた。
 日本各地の優れた食品を世界に発信するため4年ぶりに開催された「にっぽんの宝物 世界大会」には、業界改革部門、最新スイーツ部門など5部門に、19~22年度に国内で開催された全国大会で優秀な成績を残した計19組26社が出場。シンガポールを中心に海外の著名なシェフ、レストランオーナー、起業家ら計18人が審査した。晩茶研究会は法多山などで撮影した動画でボーディーの魅力を表現し、付け合わせにチーズとおかかのもなかや、クラウンメロンを使用したカクテルの案を紹介。「健康的でいろんな食べ物と相性が良い」「世界に通じる将来性がある」と評価され、グランプリを受賞した。
 安間さんらは9月上旬、袋井市役所を訪ね、大場規之市長に受賞を報告した。大場市長は「伝統的な茶から、まったく新しいトレンドを世界に生み出した。これからも改良を重ねてほしい」と激励。安間さんは「茶の需要が落ち込む中で海外から高評価を受け、茶にまだまだ可能性があることを示すことができた」と喜びをかみしめた。
 (袋井支局・北井寛人)

いい茶0

袋井市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞