テーマ : 袋井市

静岡人インタビュー「この人」 聴覚障害者の国際テニス大会に出場する 相原風城さん(磐田市)

 生まれつき耳が聞こえない重度難聴を患いながらも健常者とともに週6回、テニスの練習に励む。9月上旬、聴覚障害がある選手が補聴器を外して対戦する「デフテニス」全国大会に出場し、男子シングルスでベスト8入り。23日にギリシャ・クレタ島で開幕する世界大会では、日本代表として4種目に出場する。常葉大菊川高3年。17歳。

相原風城さん
相原風城さん

 ―テニスを始めたきっかけは。
 「小学1年のころ、家族で買い物に出かけた際、ブレスパティオテニスクラブ(袋井市)の『どなたでも受けられます』と書いた体験会のポスターを見たこと。これまで水泳やゴルフなどのスポーツに挑戦しようとしたが、耳が聞こえないことが理由で体験会ですら参加を断られていた。初めてテニスの体験会に参加したら楽しくて、その日のうちに応募用紙をもらった」
 ―テニスの魅力、デフテニスの難しい点は。
 「年齢、性別問わず、健常者と同じようにプレーを楽しむことができるのが魅力。音が聞こえないため、相手サーブがネットに触れても気づかずにプレーを続行してしまうことも。打球を視覚のみで確認し、反応してプレーすることが難しい」
 ―世界大会に向けて、練習以外で取り組んでいることは。
 「ヨーロッパの水は硬水なので、現地でおなかを壊さないために2週間ほど前から、飲料水を軟水から硬水に変えて身体を慣らしている。長時間のフライトになるので、機内でできる足のストレッチを勉強している」
 ―今後の目標は。
 「世界選手権では、得意のストロークを生かしてポイントを取り、1勝したい。そして2025年の東京デフリンピックに出場し、メダルを取りたい」
 (磐田支局・崎山美穂)

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