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小笠山(掛川市、袋井市) 急坂の先に名山の遠望【山ある記】

 掛川市の富士見台霊園をたち、与左衛門池の先から「小笠山へ」の指導標に従い、林道から山道へ。急な登りだが道はしっかりしていて、タヌキの「ため糞[ふん]」やイノシシの「ヌタ場」もある自然たっぷりの登りだ。尾根に取り付くと、まわりの木々はウバメガシに、足元は小砂利の堆積岩へと変わった。両側が大きく切れ込んだ尾根道に架かる富士見橋を渡る。小笠山特有の浸食で形成されたケスタ地形によるものだ。

小笠山の南麓にある小笠池から山上の小笠神社を望む=掛川市
小笠山の南麓にある小笠池から山上の小笠神社を望む=掛川市
小笠山
小笠山
小笠山の南麓にある小笠池から山上の小笠神社を望む=掛川市
小笠山

 道は自然林の中を尾根に沿うようになだらかに延びる。自然環境がさまざまな植物の生育条件を満たす小笠山は、1300種類もの植物が確認されている。足元にはスズカカンアオイの緑の葉。
 きつい登りを頑張ると、4等三角点と山座柱が立つ、標高265メートルの山頂に着いた。さらに先からは掛川市街地が一望できる。
 山頂から小笠神社へ。左手の足元が大きく切れ落ちた箇所の通過は要注意。幹回り3メートルのアカガシの木が現れると、ここが登山道のメイン十字路。鳥居をくぐると幅の広い参道に変わった。徳川家康が砦[とりで]を築き、掛川城と高天神城を攻める拠点にした笹ケ峰御殿跡を過ぎ、神社に着いた。
 下山は、ウバメガシや春にミヤマツツジが咲く道を気分良く歩いて展望台へ。粟ケ岳、八高山、南アルプス前衛の黒法師岳や不動岳、冬には白銀に輝く聖岳や赤石岳、上河内岳が見える。もちろん富士山も。ひとしきり楽しみ、小笠山トンネル南口に降り立った。
(中遠登山クラブ・内海広治)

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