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ラグビー人気 もっと広く、ずっと熱く 静岡県内関係者 普及強化へ再奮起

 フランスで8日に開幕し、熱戦が続くラグビーワールドカップ(W杯)。日本代表は29日、サモアに勝利し、1次リーグ2勝1敗とした。2019年の日本大会では、日本がエコパスタジアム(袋井市)で強豪アイルランドを破った「静岡ショック」が大きな話題になるなど、国内開催を機に子どものラグビー人口は増加した。競技普及に奔走する県内のラグビー関係者は、今大会がラグビー熱を根付かせるチャンスと、日本の活躍に期待を寄せている。

家族でラグビーを楽しむ(右から)斎藤亮さん、匠君、咲良さん、真由美さん=裾野市
家族でラグビーを楽しむ(右から)斎藤亮さん、匠君、咲良さん、真由美さん=裾野市

 御殿場市の会社員斎藤亮さん(42)一家は日本大会をきっかけにラグビーにのめり込んだ。エコパでのオーストラリア―ジョージア戦を家族で初めて生観戦。長男匠君(11)=御殿場東小6年=は迫力あるプレーの連続に興奮し、競技を始めた。「ボールを持って自由に動き回れる爽快感がたまらない」。今では公園で友達と楕円(だえん)球に触れ合うほど身近になった。
 入会した裾野ラグビースクールは、競技を身近に感じてもらおうと保護者にも練習を開放する。運動に苦手意識があった亮さんと妻真由美さん(44)も仲間とボールを運ぶ楽しさに魅了された。今は長女咲良さん(9)=同4年=も入会し、時間を見つけては家族4人でパス回しを楽しむ。
 19年以降、同スクールの入会者は急増し、現在は当時の2倍以上となる約50人が在籍する。かつてはマイナー競技で肩身の狭い思いをしたという奥秋伸治ヘッドコーチ(53)は「ラグビーが生活の中に降りてきた。人気を身近に感じ、うれしかった」と語る。
 県ラグビーフットボール協会の石垣誠専務理事は「こうした声があるのはありがたい。こういう人を大切にしていきたい」と喜ぶ。同協会によると、県内の小中学生の競技人口は19年度の約420人に対し、22年度は約730人に増加。現場では清水南高中等部ラグビー部がリーグワン1部・静岡ブルーレヴズのジュニアクラブに地域移行し、他校の選手を受け入れるなど受け皿拡大の動きは進んでいる。
 いつでもどこでも、誰もがラグビーを楽しめる環境づくりと、普及育成・強化へ。石垣専務理事は今大会を機に「もう一度より良い方向性を考えていきたい」と今後の展望を見据えている。
 (三島支局・岡田拓也、運動部・吉沢光隆)

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