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秀吉の北条征伐「小田原合戦」の山中城 城の魅力紹介に力 三島市郷土資料館

 天下統一を目指す豊臣秀吉が、徳川家康ら諸将を率いた大軍で関東の雄・北条氏を攻めた「小田原合戦」(1590年)。小田原城(神奈川県小田原市)の西方防衛拠点で、同合戦の緒戦の舞台となった山中城跡のある三島市の郷土資料館が今年、城の歴史の紹介に力を注いでいる。ほかに、北条方の城跡が残る県東部でも情報発信が進む。

「障子堀」をはじめ、城の魅力を伝えるガイドを始める芦川さん=三島市の山中城跡
「障子堀」をはじめ、城の魅力を伝えるガイドを始める芦川さん=三島市の山中城跡

 箱根山の中腹(標高約580メートル)に築かれた山中城は、小田原防衛の最前線として、北条の築城技術の粋を集めて改修された。だが、豊臣方の大軍に力攻めされ、わずか半日で落城したと伝わる。
 三島市郷土資料館の芦川忠利館長(62)は昨秋から今夏にかけ、歴史の読み物「勘兵衛が見た山中城」を広報みしまで6回連載。同城での戦いで「一番槍(やり)」の功を立てた豊臣方武将の渡辺勘兵衛の史料を基に、攻防の様子や城の構造を説明した。
 公園として整備されている史跡「山中城跡」で近く、無料ガイドも始める予定だ。堀の中についたて障子を立てたように土を掘り残して敵の動きを封じた防御施設「障子堀」をはじめ、同城の遺構を解説する。芦川館長は「三島市民が誇る戦国の山城をぜひ見学してほしい」と語る。
 ガイドは来年3月まで、毎月第3日曜に行う。午前の部は10時から、午後の部は1時半から。各回とも1時間半程度で、定員9人。前日までに同資料館<電055(971)8228>へ申し込む。
 (教育文化部・鈴木美晴)

下田城、韮山城でも歴史読本配布
 北条氏の水軍拠点の下田城(下田市)は豊臣方の水軍に包囲されて約50日間にわたる籠城戦の末に開城した。同城跡の保存整備を目指す同市の「下田城の保存を推進する会」は15年間の活動の集大成として今秋、歴史読本を小中学生に配布予定だ。
 3カ月の籠城戦に耐え、家康の勧めで開城したとされる韮山城(伊豆の国市)。土塁や堀が残る伊豆の国市の韮山城跡でも2月と8月、「伊豆の国歴史ガイドの会」が県内外の観光客に向けてウオーキングイベントを開いた。

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