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伊豆中央、修善寺道路料金徴収延長 整備“大義”に賛同も 関係市町、静岡県説明不足に不信感

 伊豆中央道と修善寺道路の料金徴収期限を延長する静岡県の方針を巡り、生活道路として活用する沿線や賀茂地域の市町で、首長によって見解が分かれている。伊豆半島の道路網整備に向けた財源確保を“大義”に賛同する意見が多数を占めるが、「メリットがない」と反対も。県は23日開会の県議会6月定例会に関連議案を提出するが、期限延長に理解を示す市町の議員や住民からも、県の説明不足を指摘する声が上がる。

伊豆中央道 修善寺道路
伊豆中央道 修善寺道路
伊豆中央道、修善寺道路の料金徴収延長に対する各市町の立場
伊豆中央道、修善寺道路の料金徴収延長に対する各市町の立場
伊豆中央道 修善寺道路
伊豆中央道、修善寺道路の料金徴収延長に対する各市町の立場


 「延命や補修の予算が必要だ」(岸重宏河津町長)。「道路が脆弱(ぜいじゃく)な伊豆半島に投資できる。賛成したい」(菊地豊伊豆市長)。伊豆縦貫道をはじめとする道路網の整備促進は、観光や防災、救急搬送の迅速化の面から伊豆地域の市町の悲願だ。岩井茂樹東伊豆町長は「近年は道路財源の獲得競争が激しい」との認識を示す。両道路の利用者の大半が、県外からの観光客である点も、徴収期限延長に賛同する要因だ。
 一方、伊豆中央道の起点にある函南町は反対の立場。有料区間を避ける車両が生活道路に流入し、交通安全上の危険を長年強いられてきたからだ。伊豆中央道は2014年度、修善寺道路との合併採算性の導入で無料化が先延ばしされた経緯があり、仁科喜世志町長は「協力した間に有料道路を避ける車両がさらに増えた」と強調する。
 2度目の無料化延長にもかかわらず、県の方針が判明したのは、県議会2月定例会の答弁だった。地元説明会も町が要請して5月末にようやく実現し、県の対応に対する不信感は根強い。町議会でも3月定例会で「一度棚上げされた。納得できない」との声が上がり、町は徴収期限通り無料化するよう求める意見書を国や県に提出した。
 賛同する市町にも県の説明を疑問視する議員は多い。県は無料化した場合に定時性と高速性の維持が困難だとするが、根拠が曖昧で「今のままでは地域住民の理解は得られない」との指摘が上がる。
 県は近接する国道414号静浦バイパスの一部区間を有料化する意向も示す。財源の一部は、徴収期限を延長する両道路の料金収入を充てる方針だ。定期的に両道路を利用する下田市の男性会社員は「賀茂地域の住民から徴収するなら賀茂地域の振興にも充ててほしい」と訴える。

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