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記者コラム「清流」 「現実は見た目とは違う」

 異様な光景だった。住民投票条例制定案が否決された下田市議会。制定反対の市議が討論に立つ度、制定へ署名を集めた市民グループら傍聴者から怒号が上がった。これほど議長の「静粛に願います」が繰り返される議会は初めて見た。
 制定案は市内への広域ごみ処理施設の建設可否を問う内容だった。集まった有効署名は法定数の6倍超の2300人分。結果が実らなかったグループの無念さは想像に難くない。ただ、署名者は飛び交う罵声も望んだだろうか。
 一方、議会はこれまで繰り返してきた施設の可否に関する議論ばかりで、条例そのものの議論はごくわずか。住民投票を論じる機会は必然的に少なく、貴重な機会であったはずだが。署名も議論も無駄になるのは有権者もごめんだ。

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