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下田「北方領土マラソン」廃止方針 「中学のカリキュラムに支障」

 江戸時代からロシアとの関係性が深い下田市で2月7日の「北方領土の日」に合わせて毎年開いている「北方領土の日記念史跡めぐりマラソン大会」について、市などでつくる実施主体が24日の会合で、本年度以降は大会を廃止する方針を固めた。
 実施主体は、市や市内の商工観光団体、陸上競技協会などで組織する「北方領土の日記念下田の集い実行委員会」。マラソン大会は郷土の歴史とつながりのある北方領土問題に関心を持ってもらうことなどを目的で、今年2月が43回目だった。コースは、幕末の1855年に日露和親条約が締結された同市三丁目の長楽寺を発着点に設定し、今年2月の大会では約180人が参加した。市内唯一の下田中は全1年生が走った。
 事務局の市によると、コースの距離が5・1キロと長く、「通常の学校カリキュラムに支障を来すので、参加できない」との声が同校から上がったという。
 市はこの日の会合で、代替案として小学校高学年を対象に長楽寺などを訪ねる「史跡巡りウオーキング」を提示した。本年度の実施計画(来年2月)案として、おおむね了承された。
 実行委員長を務める松木正一郎市長は「政治マター(問題)を中学生のスポーツに絡ませるのは微妙な違和感もある。(ウオーキングで)歴史や国際交流を学ぶことは市の理念にも合致する」と述べた。委員からは代替案に好意的な意見が上がった一方、「ふに落ちない部分もある」「一般参加者の来訪がなくなるのでは」との声も聞かれた。

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