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大自在(10月11日)アジフライ

 職場の食堂での昼食は麺類にすることが多い。しかし、これがある時は迷わず定食を選ぶ。アジフライだ。ソース派、タルタル派とあるようだが、最近は「しょうゆに唐辛子を一振り」が気に入っている。居酒屋のメニューにあれば、もう絶対。揚げたての「サクッ、フワッ」はたまらない。
 沼津市で7月に開かれた将棋の第94期棋聖戦第3局。当日昼食の「勝負メシ」では、藤井聡太棋聖の「カツハヤシ」に対し、佐々木大地七段は「アジフライ定食」を選んだ。提供店に足を運んだ将棋ファンもいたようだ。
 アジの命名は諸説あるが、「味が良い」ことが由来と言われている。食材としては申し分ない。刺し身、たたき、南蛮漬けなど、どう調理してもおいしい。
 フライの最大のライバルは日本のソウルフードとも言える干物かと思ったが、下田市の老舗干物店が「ひもの屋さんのフライ」として両者をドッキングさせていた。食した同僚は「肉厚な干物らしさが印象的で満足感十分。食べ慣れたフライとひと味違って、食が進んだ」そうだ。
 「アジフライの聖地」を宣言するのは、長崎県松浦市。日本有数のアジの水揚げ地だ。こだわりを列挙した「アジフライ憲章」や食べ歩きマップも作っている。この松浦産を使った都内の専門店「トーキョーアジフライ」は、行列ができる人気ぶりだという。
 さまざまな魚介のフライがあり、どれも個性豊かで味わい深い。「何と言ってもエビフライ」という方もおられよう。だが、庶民の日常的な総菜という意味でも、個人的にはアジフライを推したい。

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