関東大震災で殉職 巡査しのぶ 熱海で住民救助
100年前の関東大震災で熱海市伊豆山の住民の救助活動中に殉職した巡査(享年37)を慰霊する行事が1日、同市の伊豆山神社の参道に建つ顕彰碑前で行われた。巡査の孫の鈴木文恵さん(71)=磐田市=と木村加恵さん(70)=同=は献花し、「いつ起こるか分からない災害への備えを万全にしたい」とかみしめた。
三島署熱海分署に勤務していた巡査は、疾病調査の応援のために伊豆山を訪れていた際に大震災に遭遇した。住民の避難誘導や負傷者の搬送に尽力していたところ、倒壊した鳥居が頭に当たって亡くなったとされる。
顕彰碑は2018年に建立され、関係者が慰霊行事を続けている。この日は熱海署の大石剛署長や署員、地元住民ら約20人が献花や黙とうを行い、巡査を追悼した。
鈴木さんは「37歳という若さで亡くなったが、できる限りのことをしたのを誇りに思う」と話し、現在も地域の安全を守る警察官に感謝した。木村さんは「これからどのような災害が起こるか分からない。防災にいつも心を向けて生活していかなくては」と気を引き締めた。
(伊東支局・白柳一樹)