あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 熱海市

農作物の残さ、流木… 効率よく炭化資源に 熱海の企業、国内初の移動式装置運用

 環境事業などを展開する熱海市の民間企業の「未来創造部」と、港湾施設管理の「熱海マリンサービス」が、農作物の残さなどを効率よく燃やして資源化する「炭化ユニット」を共同開発し、運用を始めた。クレーン付きの4トントラックで運搬できる国内初の移動式。二酸化炭素(CO2)削減とともに「バイオ炭」を資源化する仕組みを普及させて気候変動対策につなげる。

二酸化炭素削減のために新たに開発された移動式炭化ユニット
二酸化炭素削減のために新たに開発された移動式炭化ユニット
移動式炭化ユニットに火入れする光村智弘代表(左)=7月中旬、熱海市
移動式炭化ユニットに火入れする光村智弘代表(左)=7月中旬、熱海市
二酸化炭素削減のために新たに開発された移動式炭化ユニット
移動式炭化ユニットに火入れする光村智弘代表(左)=7月中旬、熱海市

 ユニットは、大阪府の企業の協力で設計した。2メートル四方の炭化装置に取り付けた消煙装置で煙やにおいの排出を抑えるため、民家の近くでも使用できるという。4~8時間で製炭できる。
 バイオ炭は化石燃料の代替にできるほか、土に埋めて土壌改良に生かすことが可能という。熱海マリンサービスの光村智弘代表は「大量発生している外来種の水草、災害で生じた流木など『植物性の困り事』を全て資源にできる。3年間で47都道府県に1台ずつ導入させたい」と意気込む。
 飲食店やイベント会場から出る使用済みの割り箸を炭にして旅館などの料理を温める固形燃料に再利用したり、土壌改良した畑で取れた農作物を収穫したりして「環境保全活動と観光を連動させたい」との構想も抱く。
 当面は、熱海市周辺の林地や農地で出る剪定(せんてい)枝や農作物の残さなどを使って試験製炭し、CO2削減量を算定するほか、炭化ビジネスに関する実証実験を進める。光村代表は「バイオ炭の活用方法を一緒に研究する仲間を集めたい」と話している。
 (熱海支局・豊竹喬)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

熱海市の記事一覧

他の追っかけを読む