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テーマ : 御殿場市

ラテやアイス 入り口に 日本茶 若者の心も魅了 ららぽーと沼津の老舗茶園カフェ 5年目 各世代に人気

 御殿場市の老舗茶園「荒井園」が県東部最大級の商業施設「ららぽーと沼津」に出店した日本茶カフェの営業が間もなく5年目に入る。茶の専門店には縁遠い家族連れや若者グループも来店する。厳選した抹茶やほうじ茶を使うラテやアイスクリームが幅広い世代の心をつかみ、お茶ファンを増やしている。

茶寮あらいえん1番人気のアイス抹茶ラテ。日本茶ファンを増やしている=沼津市のららぽーと沼津
茶寮あらいえん1番人気のアイス抹茶ラテ。日本茶ファンを増やしている=沼津市のららぽーと沼津


 1階のフードホールの一角、木枠の格子が目を引く店舗「茶寮あらいえん」。抹茶の深いコクと丹那牛乳の濃厚な味わいが楽しめるアイス抹茶ラテが1番人気で、ペットボトル入りの「冷抹茶」も売れ筋。カウンター席の前に茶釜があり、その場でたてた抹茶を提供する。毎月代わる茶菓子を楽しみに訪れる常連もいる。
 1888年創業の荒井園は茶の生産から販売まで手がける。茶摘み体験会や入れ方教室を開くなど茶離れ対策に取り組む中で出店依頼を受け、飲食業に参入。ららぽーとがオープンした2019年10月から営業を続ける。荒井園5世代目でカフェ店長の荒井仁さん(47)は「受け入れやすい商品を提供し、お茶に親しんでもらいたい」と出店した目的を説明する。
 他の素材に最も合うものを選び、商品ごとに全て異なる等級の茶を使う。甘い物を求めて来店した客に茶の特徴や製法を聞かれることもあり、従業員の野沢有紀子さん(49)は「お茶に関心を持ってもらう機会になっている。味わってくれれば良さを伝えやすい」と話す。飲食を終えた客が、店頭に並ぶ県内産の茶葉やティーバッグに手を伸ばす時の喜びはひとしおだ。
 持ち帰り商品には紅茶やウーロン茶風の「清茶」もそろえる。「香りや味のバリエーションが豊富。味は奥深く余韻が長い」と茶の魅力を語る荒井さん。「好みに合うお茶を紹介できる。なじみが薄い人にこそ来店してほしい」と待ち望む。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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