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テーマ : 御殿場市

がん経験の教員 命語る 沼津の通信制高で特別授業

 沼津市の通信制高校つくば開成高沼津校はこのほど、特別授業「いのちのホームルーム」を行った。キャンパス長の菊池基さん(63)が生徒に、ぼうこうがんの闘病経験を紹介した。命と向き合ったからこそ強く感じた命と時間、出会いの大切さを説いた。

命をたたえ合うため生徒とグータッチする菊池さん=沼津市のつくば開成高沼津校
命をたたえ合うため生徒とグータッチする菊池さん=沼津市のつくば開成高沼津校

 御殿場西高(御殿場市)の校長だった2016年夏、がんと告知された。闘病中は立ち上がれないほどの倦怠(けんたい)感や抜け毛に悩まされたが、「家族や学校で待っている生徒の存在が心の支えになった」と振り返った。
 がんを経験し「朝の起床など当たり前だと思っていたことに大きな喜びを感じるようになった」と明かした。「広い地球で人と人が出会うのは奇跡。出会いを大切に、幸せな人生を切り開いて」と呼びかけた。
 最後に「私と出会ってくれてありがとう」と声を張り、聴講した生徒全員とグータッチした。生徒の1人は「時間は一度過ぎたら戻せない。やりたいことを考え、前向きに日々を過ごしたい」と感想を話した。
 職場復帰後の一定期間は「がんという言葉を聞くのも嫌だった」という菊池さん。時間がたつと頭の中が整理され「教育者の使命として、命の大切さを伝えなければ」と御殿場西高で特別授業を始めた。22年4月に着任したつくば開成高沼津校では今回初めて行った。

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