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テーマ : 御殿場市

ドローンで被災地情報収集 その名も「バーチャル物見櫓」 御殿場市など産官学連携し開発

 御殿場市と一般社団法人「先端空間情報技術評価支援センター」(同市)、千葉大が共同開発しているドローンを使った情報収集・共有システム「バーチャル物見櫓(やぐら)」が29日までに、ドローン関連の優れた技術や製品、サービスを顕彰する「ジャパンドローン&AAMアワード2023」のソフトウエア・アプリケーション部門で最優秀賞に選ばれた。災害時の被災地の情報収集を想定したシステムで、実用化に向け研究を進めている。

御殿場市関係者にシステムの説明をする開発者ら=9月中旬、同市役所
御殿場市関係者にシステムの説明をする開発者ら=9月中旬、同市役所

 バーチャル物見櫓は、災害時に広範囲の位置情報を安全かつ迅速に観測するために開発された。上空に飛ばしたドローンで対象地域の写真を2方向から撮影すると、物体や地形などが計測されたデータ「3次元点群データ」と照合し、任意の地点の緯度や経度、高さを特定できる。約2キロ先の地点でも大きな誤差なく特定できるという。
 災害時はドローンの操縦者が被災現場に近づくと危険が伴い、ドローンが有人機による救助活動の妨げになったり、避難者にぶつかるなどの二次被害を生んだりするリスクもある。バーチャル物見櫓により、離れた安全な場所から情報を得て、素早い災害対応の立案や関係機関との連携につなげることができる。河川氾濫などの際には安全な避難経路の検討などに効果を発揮することが期待される。
 同センターは空間情報の取得を支援する団体で、ドローンの利活用を推進している。3者は同市の加藤学園御殿場キャンパスで2年半にわたり、フィールド実証実験や共同研究・開発を進めてきた。県内では、ほぼ全域の3次元点群データが公開されているが、全国的にはデータが整備されていない自治体も多い。このため、今後はデータ照合なしでも機能するシステムに改良するという。
 (御殿場支局・塩谷将広)

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