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テーマ : 長泉町

部活地域移行 休日試行3市 23年度開始わずか2市 受け皿不足課題 市町教委

 公立中学校の部活動を地域団体や民間事業者に委ねる「地域移行」。国は本年度から3年間を「改革推進期間」と位置付け、まずは休日の地域移行の環境整備を行うよう促しているが、静岡県内では、休日の地域移行を既に試行しているのは3市にとどまり、本年度始めるのは2市のみであることが、静岡新聞社が県内の全市町教育委員会に実施したアンケートで分かった。管理・運営を担う団体が少ないことや、運営や指導者確保に要する費用などが課題となり、一部の市町で計画が進んでいない現状が浮き彫りになった。
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 休日の地域移行を試行しているのは静岡、三島、焼津の3市。静岡市は活動を近隣学校と合わせた「エリア制」とし、二つのエリアで女子ソフトボールと野球を実践研究として実施した。三島市は一部学校のサッカーと卓球を外部指導員が受け持った。焼津市は市内全域から希望者を集め相撲、柔道、剣道、ニュースポーツ、海洋の5種目を地域の専門家が指導した。このほか、掛川市は休日にとどまらず地域団体が運営するクラブ体制の構築を進めている。本年度スタートするのは伊東、袋井両市。
 本年度予算に関連経費が盛り込まれているか尋ねたところ、22市町で協議会の運営や指導員確保のための費用が確保されていた。一方、「改革推進期間」の具体的なスケジュールについては「受け皿となる団体が少ない」(松崎町)などを理由に、10市町で検討中か見通しが立っていないことが分かった。
 地域移行を進める上での課題(複数回答可)は、34市町が「指導者の選任・確保」を挙げた。次いで、費用や送迎負担などへの「保護者理解」が32市町、「運営や指導者確保に要する費用負担」が31市町。「その他」を選んだ焼津市は「地域移行したクラブに対して県中体連の大会参加規定が厳しい」とし、長泉町は「指導者の研修」を課題に加えた。
 アンケートは3月下旬~4月上旬に実施し、全35市町教委から回答を得た。取り組み状況や予算、課題などを尋ねた。

 部活動の地域移行 公立中学の教員が指導する部活動を、地域団体や民間事業者に委託する改革。教員負担や少子化などを背景とした体験格差の解消を狙う。スポーツ庁と文化庁は2022年末、改革のガイドライン(指針)を策定。まずは休日の移行を推進し、地域の実情に合わせて可能な限り早期の実現を目指すよう求めた。これを受けて県教委は部活動の地域連携や地域クラブ活動の在り方に関する方針を策定し、市町教委に対し23~25年度の「改革推進期間」に関係者による協議会設置などを促した。

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