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テーマ : 長泉町

子育て支援 リスタート 第二の「長泉方式」期待【東部 記者コラム 湧水】

 子育てのまちといえば長泉町。そんなイメージの強い長泉町だが、出生数はここ数年、減少傾向にある。町は出産前から出産、育児中まで継続的に支援するため、本年度から県内初の第2子保育料無料化、妊産婦のタクシー利用代助成など事業を拡充し、子育て支援のリスタートを切った。今後の町民の意識の変化や他市町への影響を注視したい。
 町住民窓口課によると、10年前の2014年度462人だった出生数は、16年度に512人(14年度比10・8%増)になった。その後は全般的には前年度比減となる年度が多く、22年度は372人(同19・5%減)だった。
 出生数の減少をくい止め、増加に転じさせるには、家庭が経済的に安定して「出産したい」と思うことができることに加え、2人目以降も安心して育てられるための支援が必要だろう。
 町は今年から世帯年収やきょうだいの年齢に関係なく、保育所などを利用する第2子の保育料を無料化した。さらに妊婦、産婦健診などを安心して受診できるよう、産前産後の必要な外出時にタクシーを利用する際の初乗り運賃20回分を助成するなど経済的支援を拡充。2人目の出生に大きく関わる男性の家事・育児参画を促す事業や妊娠届提出時と妊娠8カ月後、出産届提出後などに夫婦と面談する伴走型相談支援も始めている。
 経済的支援だけでなく、子育て相談を含む伴走型支援、男性の育児参画まで幅広く目を向けた点は、「子育てのまち」として培った長年の蓄積を感じさせる。7月下旬、池田修町長は新幹線通学支援補助金を受けようとする若者に向け町の取り組みを説明し、「長泉に住み続け、子どもを産んで育てて、さらに2人目以降も生みたいと思ってくれる人を増やしたい」と思いを語った。
 町はこれまでに、保育園や幼稚園の保育料を第3子以降無料化する制度を県内でいち早く導入。その後、第2子を半額とし、充実した子育て支援策は「長泉方式」と呼ばれ、県内各市町に導入が進んだ。新たに始めた支援策は第二の「長泉方式」となるか。期待して見守りたい。
 (東部総局・天羽桜子)

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