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テーマ : 長泉町

小原自動車(沼津)創業100年 変革期、技術追求続く

 沼津市と長泉町に自動車整備工場を構える小原自動車工業(同市)は今年、創立100周年を迎えた。近隣の同業では珍しいという。自動車業界が100年に1度と言われる変革期にある中、3代目の小原嘉弘会長は「最新の車を扱えるよう技術を磨き続けたい」と決意を新たにしている。

自動車整備工場で創業からの歩みを振り返る小原会長=沼津市
自動車整備工場で創業からの歩みを振り返る小原会長=沼津市

 沼津市の工場は乗用車、長泉町では大型トラックや特殊車両までの点検と修理を手がける。役員と従業員は32人。2022年度は7800台超の点検と修理に当たった。販売も行う。
 小原会長の祖父の創業者幸太郎は東京・有楽町に自動車整備工場を開いたが、1923(大正12)年の関東大震災で閉業。沼津に帰郷し、同年に自動車整備業を始めた。当時の車は国内に約2万5千台しかない最先端の乗り物。それを商材に選んだ幸太郎を、小原会長は「ベンチャー精神旺盛だった」と評する。
 創業から現在まで、技術力を大切にし、かつては陸上自衛隊員が技術を学びに訪れていたほど。従業員の資格取得を後押しし、メーカーや保険会社主催の勉強会参加を促す。大型車両用のリフトをいち早く導入するなど設備投資も進めた。
 個人客の比率が高まり、仕事を回してくれていた自動車メーカーは競合相手になった。2021年にはM&Aで全国展開する企業グループ入りした。「お客さまの要望に応え、安心して乗り続けられるよう整備する」。業界や会社を取り巻く環境は大きく変化しても、小原会長の意志は変わらない。

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