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テーマ : 長泉町

戦禍で断たれたドラム演奏再び ウクライナから三島へ避難、ミランさんにバンドら協力

 ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナの東部ドニプロから三島市に避難しているネジェリコ・ミランさん(15)が、幼少時代から親しむドラム演奏に再び打ち込み始めた。一緒に音を奏でる仲間と出会い、同市のサロンとバンドの協力で練習機会も増えた。「大好きな趣味。ずっと続けたい」と笑顔を見せる。

新たな練習場所の確保を喜ぶネジェリコ・ミランさん。右奥は望月透さん=9月30日、三島市の佐藤塾
新たな練習場所の確保を喜ぶネジェリコ・ミランさん。右奥は望月透さん=9月30日、三島市の佐藤塾

 物心ついた頃からドラムに触れ、8歳からドラム専門の音楽学校に通い続けてきた。しかし、週4日練習していた日常は突然の軍事侵攻で奪われ、卒業を迎えられないまま三島市の叔母原アンナさんの元に避難した。原さんは「言葉や環境が違い、友達もいない。1人でイヤホンを付けていることも多かった」と当時を振り返る。
 ミランさんが再び音楽に触れるきっかけとなったのは、原さんの知り合いだった塚本輝夫さん(40)=長泉町=のサックス演奏を昨夏に聴いた時だった。「一緒にやりたい」。少しでもストレス発散してほしいとの原さんらの思いもあり、市の施設で週1回練習するようになった。
 十分な練習時間と場所を探していたところ、同市の「佐藤塾」を拠点に活動するバンド「龍城ベンチャーズ」が協力を名乗り出た。ドラムの所有者でもあるメンバーの望月透さん(63)は「楽器を持ち歩けないのはドラマー共通の悩み。協力したい」と快諾した。
 ミランさんは、ベリーダンス講師の原さんが11月26日に長泉町で開く公演の合間に演奏を披露する。9月30日に佐藤塾での練習をスタートした。「言葉は通じないが、音楽を通して向き合おうとしてくれるのが伝わる。本当に楽しい」と塚本さん。ミランさんも「仲間を見つけられて良かった」と軽快にリズムを刻んだ。
 (三島支局・岡田拓也)

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