長泉町、後半勝負実る 11区の小名、43秒縮めて「たすき」【市町対抗駅伝】
後半勝負で優勝を決める―。長泉町が理想に掲げたレース展開は残り2区間で現実のものとなった。11年ぶりの栄冠へ原動力となったのは長野の名門・佐久長聖高で主力を張る11区小名祐。前を走る清水町との差を大幅に縮め、アンカー小林(滝ケ原自衛隊)へつないだ。「5連覇した時は必ず核となる選手がいた。当時のように今年は小名が中心になってくれた」と斗沢監督。長い低迷期の悔しさを晴らす鮮やかな逆転劇だった。
2連覇を見据え前半に有力選手をそろえた清水町に、序盤は独走を許した。思うように差が埋まらず、最大1分48秒差と苦戦した。1分25秒差で姉、小名陽(静岡大)からたすきを受けた小名祐は「後半にしっかり上げられるように」と慌てず自分のペースを意識。残り1キロ付近からの下りで一気にスパートをかけ、42秒差まで押し上げた。
アンカー小林は「最初の直線で(前との差が)詰まっているのが分かった。追いつける」と、3キロ付近で清水町を捉えた。チームとしてこの日初めて首位に立ち、仲間の期待に応えて見せた。
昨年は4位とメダルも逃したチーム。苦しい時期を乗り越えて、久々につかんだ優勝の喜びは格別だ。斗沢監督は「11、12区が鍵だったが、12人一人一人が出せる力を出してくれたから勝機を見いだせた」と選手に感謝。強い長泉の復活へ。のろしが上がった。
(吉沢光隆)