テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

袴田さん弁護団が意見書 被害者遺族の陳述に反対 静岡地裁に提出

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)を巡り、弁護団は10日、静岡地裁(国井恒志裁判長)に対し、被害者遺族の意見陳述を認めるべきではないとする意見書を出した。次回公判は22日。

静岡地裁に提出した意見書2通について説明する弁護団の小川秀世事務局長=10日、県庁
静岡地裁に提出した意見書2通について説明する弁護団の小川秀世事務局長=10日、県庁

 次回の第15回公判は検察側の論告・求刑と弁護団の最終弁論、袴田さんの姉ひで子さん(91)の最終意見陳述を経て結審する予定。
 弁護団によると、殺害された専務夫妻の孫から意見陳述の申し出があった。口頭での陳述ではなく、袴田さんに対する処罰感情などを記した書面を提出することを希望しているという。
 弁護団は意見書で、再審公判は前段階の再審請求審で「無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見した」と認められた上での手続きなどと強調。県庁で記者会見した小川秀世事務局長は「(意見陳述は)再審公判としては適切ではないと考える」と述べた。地裁が陳述を認める場合、事前に書面の内容を弁護団に示すよう申し入れるという。
 弁護団は、地裁が前回公判で弁護士や傍聴人らに外すことを要請した支援団体のバッジを装着できるよう求める意見書も提出した。初公判から前々回の第13回公判までは何の指示もトラブルもなく、今になって外すよう制限することは「全く理由がない」と訴えた。

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