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袴田さん弁護団「被害者縛られていた」 複数犯説、裏付け主張へ【最後の砦 刑事司法と再審】

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)のやり直しの裁判(再審)で、弁護団が、被害者は犯行当時に縄などで縛られ、身動きが取れない状態で犯人から刃物で刺されたとの新たな見立てを主張する方針を固めたことが14日までに、複数の関係者への取材で分かった。
 弁護団は再審公判で、事件について袴田さんの犯行ではなく、複数人による犯行だと説明している。専務一家4人の遺体が撮影された写真を精査したところ、首や腕に縄などで縛られていた痕跡がうかがえるという。単独犯の場合、一人で被害者全員を縛らなくてはならない。多数の刺し傷があったことも踏まえ、弁護団の関係者は「複数犯であり、犯行動機は金銭目的ではなく怨恨(えんこん)だった、という弁護団の主張を裏付ける」としている。
 これらの写真の一部は確定記録に含まれていたものの、サイズが小さかった。再審請求審で新たに開示された記録の中に、より大きなサイズの写真があった。最近になって検討し直した結果、被害者が縛られていた疑いに気付いたという。
 袴田さんの次回、次々回公判は16、17の両日。弁護団が有罪立証を維持している検察側に反論する。17日には、取り調べの録音テープを法廷で再生する予定。
 静岡地裁は3月末までの公判期日を指定済み。法曹三者は5月22日に結審する方向で調整を進めている。

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