テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

有罪立証の断念、再要請 袴田さん再審巡り弁護団

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定したものの、今年3月に裁判のやり直し(再審)が決まった元プロボクサー袴田巌さん(87)の再審公判を巡り、弁護団は7日、静岡地検に対し、有罪立証の方針を撤回するよう改めて申し入れた。

半袖シャツに残る血痕をそぎ取ったような跡。弁護団は「5点の衣類」が捏造された一つの裏付けだと主張する
半袖シャツに残る血痕をそぎ取ったような跡。弁護団は「5点の衣類」が捏造された一つの裏付けだと主張する
緑色が見て取れるブリーフ
緑色が見て取れるブリーフ
半袖シャツに残る血痕をそぎ取ったような跡。弁護団は「5点の衣類」が捏造された一つの裏付けだと主張する
緑色が見て取れるブリーフ

 申し入れ書で、事件から約1年2カ月後に現場近くのみそタンクで見つかり、袴田さんの犯行着衣とされた「5点の衣類」に関し、付着した血痕の色以外にも「確定判決の認定に疑いを生じさせる事実は多数存在する」と批判。長期間みそに漬かっていたにしては緑色ブリーフの色が鮮やかなことに加え、半袖シャツの表側にも裏側にも別々に血痕をそぎ取ったような跡があると主張した。実況見分時の写真に写っていることを踏まえ、みそタンクに入れられる前に「捏造(ねつぞう)しようとした者が、血液を多量に付け過ぎたなどの理由から、そぎ落としたと考えられる」とした。
 再審請求審の段階から何度も言及してきたが、これまで検察から反論が一切ないとして、12日の次回3者協議を前に再度指摘した。記者会見で小川秀世事務局長は「何も言わないのは反論できないから。お手上げであるなら有罪立証を断念すべきだ」と強調した。
 「空き法廷で中継を」 支援団体 静岡地裁に要請  袴田巌さんの支援団体は7日、再審公判を一人でも多くの市民が傍聴できることを目指して、空いている法廷のモニターで中継するよう静岡地裁に要請した。
 要請書では、多数の傍聴希望者が集まることが予想されるとした上で、混乱を防ぐためには傍聴席を増やすことだと主張した。再審公判の開廷日は他の裁判が行われないと想定し、法廷や会議室などの活用を積極的に検討するよう求めた。
 支援団体は静岡地検にも出向き、有罪立証の断念を要求した。併せて、裁判に提出してこなかった証拠を全て開示するよう訴えた。

 

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