テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

ひで子さん「再審法改正 早く実現を」 日弁連、都内で集会

 日本弁護士連合会(小林元治会長)は23日、不備を指摘している再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正機運を盛り上げようと、市民集会を都内で開いた。申し立てから42年の歳月を経て再審が開始された袴田巌さん(87)の姉ひで子さん(90)らが参加した。ひで子さんは「巌だけが助かればいいとは思っていない。何とか早く、再審法改正をお願いしたい」と訴えた。

全ての無実の人が速やかに救済されるよう、再審法の改正を訴える袴田巌さんの姉ひで子さん=23日午後、都内
全ての無実の人が速やかに救済されるよう、再審法の改正を訴える袴田巌さんの姉ひで子さん=23日午後、都内

 ひで子さんら参加者は、「布川事件」で再審無罪となり、8月に76歳で亡くなるまで冤罪(えんざい)の根絶に奔走した桜井昌司さんをしのびつつ、再審法改正実現への決意を述べた。
 パネル討論では、袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会事務局長の山崎俊樹さん(69)も登壇した。現行の再審法には検察官に証拠の開示を義務づける規定がなく、再審の請求人にとって有利な証拠が何年も「眠ったまま」にされているケースは多い。山崎さんは、犯行着衣とされた衣類のカラー写真が2010年に開示されたときの心境を「(みそに漬かっていたにしては血痕が赤く、生地はもともとの色が残り)『エー』と驚いた」と語った。
 小林会長は集会のあいさつで「日弁連を挙げて法改正に向けて取り組んできたが、法務省の抵抗が強い。国会議員に主導的に取り組んでもらうためには市民の後押しが必要」と求めた。
 (社会部・佐藤章弘)

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