テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

検察は有罪立証断念を 袴田さん弁護団がネット署名

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判を巡り、検察当局が有罪立証を維持する方針だと報じられた8日、弁護団の戸舘圭之弁護士が検察に断念を求めるネット署名を始めた。検察が改めて有罪を立証しようとすれば審理の長期化は避けられない。「袴田さんが亡くなるのを待っていると言っても過言ではない」と検察の姿勢を批判する。

検察当局に有罪立証の断念を求めるネット署名
検察当局に有罪立証の断念を求めるネット署名

 再審公判で検察が有罪立証することは法的には問題ない。「島田事件」など過去にあった死刑囚の再審4事件では、実際に有罪立証を試みた。しかし、いずれも無罪判決に至っている。
 戸舘弁護士は有罪立証の維持について「メンツの問題に過ぎない。(衣類5点の証拠が)捏造(ねつぞう)ではないと抵抗したいだけのポーズ」と反発する。弁護団に開示していない証拠がまだまだあるとも強調し、「公益の代表者」である検察官がなすべきは「一日も早く無罪判決を出すために審理に協力すること」と呼びかける。

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