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日弁連会長、検察けん制「有罪立証、諦めるべき」 袴田さん再審公判巡り

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑判決が確定した袴田巌さん(87)の再審公判を巡り、日本弁護士連合会の小林元治会長は19日、速やかな公判開始と無罪判決を求める声明を公表した。同日の定例記者会見で、小林会長は「これ以上、袴田さんに過酷な時間を強いてはいけない」と強調した。

袴田巌さんの速やかな再審公判開始を求める日弁連の小林元治会長=19日午後、都内
袴田巌さんの速やかな再審公判開始を求める日弁連の小林元治会長=19日午後、都内

 再審公判の日程は決まっていない。静岡地裁と弁護団、地検による10日の3者協議で地検は立証方針を表明せず、7月10日までに明らかにする考えを示した。
 声明は、事件から1年2カ月後に現場近くのみそタンクで発見され、袴田さんの犯行着衣とされた「5点の衣類」について、第1次と2次の再審請求審を通じて弁護団と検察の双方が主張・立証を展開してきたと指摘した。「その結果、確定判決に合理的な疑いが生じたと判断された」と振り返り、実質的な審理は尽くされたとして「もはや新たな有罪立証は許されない」と検察を強くけん制した。
 その上で、再審公判に関する規定が2カ条しかないなど不備が指摘されている再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正実現に尽力していくと改めて決意した。
 小林会長は会見で「公益の代表者という視点に立てば、検察官がすべき道はおのずと明らか。有罪の立証は諦めるべき」と訴えた。

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