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検察側「袴田さんに犯行動機あった」 再審第5回、犯人性巡り主張立証 静岡地裁

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した後、裁判のやり直しが認められた元プロボクサー袴田巌さん(87)の再審第5回公判が20日午前、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。検察側は「犯行着衣」とする衣類のほかにも、袴田さんが犯人だと考えられる事情が存在すると主張した。午後は弁護団が反論する。

再審公判に向け、静岡地裁に入る袴田巌さんの姉ひで子さんと弁護団=20日午前10時25分ごろ、静岡市葵区
再審公判に向け、静岡地裁に入る袴田巌さんの姉ひで子さんと弁護団=20日午前10時25分ごろ、静岡市葵区

 事件から約1年2カ月後に現場近くのみそタンクでシャツやズボンなど「5点の衣類」が見つかり、検察側は再審公判でも袴田さんの犯行着衣だと説明した。一方、弁護団は捜査機関によって捏造(ねつぞう)された証拠だと訴えている。
 この日の冒頭陳述で検察側は、給料以上の金を必要としていたとして袴田さんには犯行動機があったとした上で、「凶器」のくり小刀を事件前に購入・所持していたことがうかがわれると強調。犯行当夜に左手中指などに傷を負っていたほか、袴田さんのパジャマから他人の血液型の血痕や混合油が検出されたことを踏まえ「全体として犯人性を裏づけている」と述べた。
 再審公判で検察側は、証拠の捏造について「非現実的で実行は不可能」と強く否定している。袴田さんの無実を訴える弁護団は、強盗目的ではなく怨恨(えんこん)による会社外部の複数犯の犯行だと指摘する。
 第5回公判も傍聴席は抽選となった。27席に対し99枚の整理券が配布された。

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