テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

即時抗告取り下げを訴え 袴田さん支援者全国集会

 旧清水市(静岡市清水区)で1966年にみそ製造会社の一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、裁判のやり直しを求めている袴田巌さん(85)の支援者による全国集会が10日、東京都千代田区の憲政記念館で開かれた。最高裁から東京高裁に差し戻された審理で、検察側に即時抗告の取り下げを訴えるアピールを採択した。

記者会見で講演会をPRする袴田さん支援クラブのメンバーら=10日午前、浜松市役所
記者会見で講演会をPRする袴田さん支援クラブのメンバーら=10日午前、浜松市役所

 弁護団の間光洋弁護士は事件の経過概要や差し戻し審の争点、現状を報告した。事件から1年2カ月後に現場のみそタンクから発見された「犯行着衣」の血痕の色を巡り、弁護団が11月に新たな化学的知見として東京高裁に提出した、1年以上みそに漬かると「赤みは残らない」との専門家の鑑定書などを説明した。
 東京高検は弁護団の主張に反論する構えだが、間弁護士は「専門的な意見は覆しようがないと自信を持っている。来年内には再審開始、再審公判までこぎ着けたい」と述べた。
 袴田さんと姉ひで子さん(88)のビデオメッセージも上映した。10月に京都・金閣寺を訪れた話など袴田さんの日頃の様子が紹介され、ひで子さんは「私も巌も元気です。裁判に勝つために頑張ります」と語った。

 ■映画監督周防氏 浜松で18日講演 冤罪と司法制度語る
 袴田巌さんと姉のひで子さんを支える浜松市の市民団体「袴田さん支援クラブ」は18日、映画監督の周防正行氏を招いた講演会を浜松市中区の市地域情報センターで開く。
 痴漢冤罪(えんざい)をテーマにした映画を撮影した周防氏は「それでもボクは黙っていない」と題し、冤罪や司法制度について持論を述べる。同クラブの猪野待子代表らが10日、市役所で記者会見し、講演会をPRした。
 午後1時半~4時。入場料500円。定員160人で要予約。同クラブのインターネットサイトから同時配信も予定している。申し込みは同クラブ<電090(3938)3875>へ。

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