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特集 : 袴田巌さん

袴田さん差し戻し審 検察、弁護団新鑑定反論へ 3者協議で方針

 旧清水市(静岡市清水区)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(85)の第2次再審請求審で、東京高裁と東京高検、弁護団の3者協議が22日、高裁であった。事件から1年2カ月後に現場のみそタンクで発見された「犯行着衣」の血痕の色を巡り、1年以上みそに漬かると「赤みは残らない」との弁護団の新たな鑑定書などについて、高検側は反論する方針を示した。

記者会見で発言する袴田巌さん(中央)。右は姉ひで子さん=22日午後、県庁
記者会見で発言する袴田巌さん(中央)。右は姉ひで子さん=22日午後、県庁

 弁護団が協議終了後の記者会見で明らかにした。検察側は来年2月末までに反論する。次回は同3月14日。
 最高裁は昨年12月、みそ漬けされた血痕の変色に影響を及ぼす要因について専門的な知見を踏まえて検討を尽くすよう求め、審理を高裁に差し戻した。弁護団は今月1日付で、血液がみそに漬かるとヘモグロビンの変性などにより数週間程度で赤みが失われ、数カ月以内に黒色化するメカニズムを化学的に説明した専門家の鑑定書を高裁に提出。「最高裁決定の要請に応える内容」として速やかな再審開始を求めている。
 弁護団は、白みそを用いた新たな「みそ漬け実験報告書」を高裁に出した。会見で小川秀世事務局長は、鑑定書や報告書を踏まえて「みそに漬かれば血液は黒褐色になる。赤みが残る条件は考えられず、検察官の反論は裁判所を動かすものにならない」と述べた。
 弁護団の一人は取材に「高裁は『検察に反論させなかった』と後から指摘されることを避けたかったのでは」と推測。その上で「検察は『例外的に赤みが残ることがある』と主張したいのかもしれないが、そんなことを言う専門家はいるのだろうか」と疑問視した。

 ■袴田さん会見「元気ですよ」 
 袴田巌さん(85)の弁護団は22日、都内と県庁で記者会見を開いた。県庁では袴田さんが姉ひで子さん(88)と一緒に出席し、「元気ですよ」と話した。
 袴田さんは腰痛で一時期、つえなしでは歩けない状態だったというが、現在は「痛くなくなっちゃった」。
 東京高裁での差し戻し審は来年も続くことになったが、ひで子さんは「長引いていると言われても、55年闘ってきた。再審開始を出してもらえるよう頑張っていく」と語った。

 ◇お断り 袴田巌さんの姉の名前をこれまで「秀子さん」と表記してきましたが、今後は戸籍の正式名の「ひで子さん」とします。

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