テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

袴田さん差し戻し審 裁判長と初面会 東京高裁

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定し、裁判のやり直し(再審)を訴えている袴田巌さん(86)の差し戻し審で、袴田さんが5日、東京高裁の大善文男裁判長と面会した。関係者への取材で分かった。再審請求審で袴田さんが担当裁判官と顔を合わせるのは第1次、2次を通じて初めて。

東京高裁の裁判官との面会を終え、高裁を後にする袴田巌さん=5日午前、東京都内
東京高裁の裁判官との面会を終え、高裁を後にする袴田巌さん=5日午前、東京都内

 弁護団が刑事訴訟規則に基づき、決定を出す前に袴田さん本人の意見を聞き取るよう高裁に求めていた。第2次請求審では、静岡地裁が2013年、意見聴取のために当時東京拘置所に収監されていた袴田さんを訪ねたが、袴田さんは「どうしたって死刑になる」などと言い、拒否していた。
 関係者によると、袴田さんは5日午前、弁護人に付き添われ、大善裁判長ら裁判官3人と面会した。検察官も立ち会ったという。
 同日午後には、弁護団が最終意見書の要点を高裁に口頭で説明する。袴田さんの姉ひで子さん(89)も同席し、意見を述べる予定。
 弁護団は2日に提出した最終意見書で、速やかな再審開始を求めた。一方、東京高検は請求棄却と袴田さんの再収監を訴えている。

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