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再審法改正へ「立法府の英知結集を」 日弁連が院内集会 袴田さん姉「一歩ずつ」

 日本弁護士連合会(小林元治会長)は12日、不備があると指摘してきた再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を求める集会を都内の参院議員会館で開いた。改正実現を目指す超党派の国会議員連盟が前日に誕生したことを受け、小林会長は「不合理な状況が続き、冤罪(えんざい)に苦しむ人を見続けている。もはや看過できず、立法関係者には英知を出してほしい」と期待。与野党の議員が法改正への決意を表明した。

日弁連の小林元治会長(左から2人目)らと議連の誕生について意見を交わす袴田巌さんの姉ひで子さん(同3人目)=12日午後、都内の参院議員会館
日弁連の小林元治会長(左から2人目)らと議連の誕生について意見を交わす袴田巌さんの姉ひで子さん(同3人目)=12日午後、都内の参院議員会館
与野党の議員とともに集会に参加した袴田巌さんの姉ひで子さん=12日午後、都内の参院議員会館
与野党の議員とともに集会に参加した袴田巌さんの姉ひで子さん=12日午後、都内の参院議員会館
日弁連の小林元治会長(左から2人目)らと議連の誕生について意見を交わす袴田巌さんの姉ひで子さん(同3人目)=12日午後、都内の参院議員会館
与野党の議員とともに集会に参加した袴田巌さんの姉ひで子さん=12日午後、都内の参院議員会館

 静岡地裁で再審公判が続く袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(91)も浜松市から駆けつけ、議連の立ち上げを「本当にうれしい。全部いっぺんに変えるのは難しいだろうから、一つずつでも進んでくれれば良いと思っている」と喜んだ。
 議連は設立時点で134人が入会した。2010年にできた「袴田巌死刑囚救援議員連盟」は総勢約60人での船出だったため、2倍以上の人数での始動となった。次回総会までに200人規模にしたいという。
 自民党の岩屋毅衆院議員は「冤罪を生み出す〝人質司法〟も併せて見直しを」と求め、稲田朋美衆院議員は「運用に任せるのはやめなくてはいけない」と規定の充実化を説いた。立憲民主党の米山隆一衆院議員も「裁判で間違いが起こることはやむを得ない。人間は誤るという前提で謙虚に制度を作るべき」と述べた。
 日本維新の会の岩谷良平衆院議員は「救済システムの拡充は立法府、政治の仕事」と受け止め、れいわ新選組の大石晃子衆院議員は「議連に期限がないことは残念で、24年中に必ず法改正を勝ち取らなくてはいけない」と強調。共産党の仁比聡平参院議員は「皆で力を合わせるとき」と促し、無所属の平山佐知子参院議員(静岡選挙区)は「冤罪を真になくす社会にするために努力する」と誓った。
 国会議員185人が法改正の必要性を認めた静岡新聞社のアンケート(23年11~12月実施)では、自民党の回答率が2・9%と極めて低かった。日弁連の再審法改正実現本部で本部長代行を務める鴨志田祐美弁護士は「政権が改正に後ろ向きの中、気持ちはあっても表明しにくかったのでは」と推測。自民党の麻生太郎副総裁らが議連の呼びかけ人になったことで、与党議員も法改正を主張しやすい雰囲気が生まれたとみる。

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