テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

法医学者ら5人尋問へ 袴田さん差し戻し審 弁護団、高検請求

 旧清水市(静岡市清水区)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑判決が確定した袴田巌さん(86)の第2次再審請求審で、弁護団と東京高検が法医学者ら計5人を証人尋問するよう請求したことが20日、関係者への取材で分かった。23日の3者協議で、尋問の日程を含めて決まる見通し。
 袴田さんの犯行着衣とされるシャツなど「5点の衣類」は事件から1年2カ月後に現場のみそタンクで見つかり、血痕の色は当時の捜査資料に「濃赤色」と書かれていた。弁護団は高裁での差し戻し審で、みそ漬けの血液が黒色化するメカニズムを化学的に示し、長期間みそに漬かると「血液の赤みは残らない」と結論付けた鑑定書を提出。「1年以上タンクのみそに隠されていたとは言えず、袴田さんの犯人性は完全に否定された」と主張している。
 高裁は前回の3者協議で証人尋問を行う意向を表明した。関係者によると、これを受け弁護団は鑑定を手掛けた法医学者ら3人を、高検は法医学者2人を尋問するよう求めた。数日に分けて実施するとみられる。
 最高裁は2020年の高裁への差し戻し決定で、みそに漬かった血液の色調変化に影響を及ぼす要因について専門的知見を踏まえて審理を尽くすよう求めた。

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