テーマ : 袴田さん「再審」 最後の砦

立証方針の早期決定要望へ 袴田さん弁護団、20日検察側に 浜松で支援団体報告会

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑判決を受け、今年3月に裁判のやり直し(再審)が確定した袴田巌さん(87)=浜松市中区=の支援団体が15日、市内で報告会を開いた。弁護団の小川秀世事務局長は、東京高検と最高検に20日出向き、再審公判に向けた主張や立証方針の早期決定を要望すると明らかにした。

報告会で登壇する小川弁護団事務局長=15日午後2時半ごろ、浜松市内
報告会で登壇する小川弁護団事務局長=15日午後2時半ごろ、浜松市内

 報告会「袴田事件の現在 その課題 今後の展望」で、小川事務局長は、10日に静岡地裁で開始した再審公判に向けた法曹三者の協議で、主張や立証の方針を3カ月後までに示すと検察側が説明したことについて「すでに十分な検討をしているはず」と批判。東京高裁が3月13日の決定で捜査機関による捏造(ねつぞう)の可能性を指摘した証拠品「5点の衣類」などについてもあらためて解説した。
 袴田さんの姉ひで子さん(90)は参加した支援者ら約50人に「長いこと頑張れば結果は出る。みなさんの支援のおかげで戦ってこられた。最後まで頑張りたい」と力強く語った。
 元東京高裁判事の木谷明弁護士も講演し、「袴田事件」をめぐるこれまでの裁判の問題点や、再審までに長い時間がかかる要因を解説し、「できる限り早く再審法が改正されることを祈っている」と話した。

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