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テーマ : 教育・子育て

不登校でも学びを メタバースで支援 静岡県教委が24年度 授業視聴システム構築/アバターで交流空間も

 静岡県教委は2024年度、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した不登校児童生徒の支援策に着手する方針を固めた。不登校の子どもが増加傾向にある中、フリースクールなど学校以外の施設にも通えていない小中学生に多様な教育の機会を提供する。24年度当初予算案に関連費用として約2千万円を計上する。1日までの関係者への取材で分かった。

静岡県内不登校(年間30日以上の欠席)の児童生徒数の推移
静岡県内不登校(年間30日以上の欠席)の児童生徒数の推移

 不登校は全国同様、県内でも年々増加していて、社会課題として対応が求められている。県教委が特に問題と位置付けているのが、学校以外の学びの場にもつながっていない子どもの多さ。県内では不登校の小中学生のうち約3割が、フリースクール、市町が設置する教育支援センターのいずれにも通っていないという。
 メタバースを活用した公的な教育の場は全国的に珍しく、学校や施設に直接行けない状況でも、他者と関わる活動に参加してもらうのが狙い。不登校児童生徒を対象に登録制とし、自宅にいながら希望する科目を選択して授業映像を視聴できるシステム構築を検討する。24年度は児童生徒同士がアバター(分身)などを使って交流する空間を開設。25年度から学習や実技、社会見学が可能な体制を整備して本格運用を目指す。
 義務教育課によると、22年度の県内公立校の不登校児童生徒数(年間30日以上欠席)は小学生3321人、中学生6126人の計9447人。15年度(不登校児童生徒数4243人)から8年連続で過去最多を更新し、2倍以上に増えた。児童生徒全体に対する不登校の割合は、22年度で小学生1・84%(全国平均1・70%)、中学生6・30%(同5・98%)と全国の割合を上回った。
 (政治部・大沼雄大)

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