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テーマ : 教育・子育て

子どもにも金融の勉強を 証券会社が授業や講座 ゲームで身近にリテラシー向上

 金融の勉強を子どもや若者にも身近に-。高校や中学で金融教育の内容が拡充され、教育現場でお金にまつわる知識の習得が必修になった。証券会社は社員を派遣し、カードゲーム式の体験型授業や無料講座で理解を手助けする。金融リテラシー(知識や判断力)の向上が、より良い暮らしを送ることや主体的に判断し行動する力を養うことにつながると期待する。
豊島岡女子学園高で、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の社員らが金融経済教育を担当した授業=3月、東京都豊島区金融経済教育を家庭科の授業で扱う際に難しいこと
 新たな少額投資非課税制度(NISA)が今年1月に始まり、資産運用への関心の高まりも金融教育推進の背景にある。
 「時代や環境、選ぶ行動次第で資産が変わり、人生ゲームみたいで楽しい」と笑顔で話す高校1年の女子生徒。3月、豊島岡女子学園高校(東京)で、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の社員らが体験型の授業を行った。
 班ごとに級友と相談しながら、カードを駆使して仮想の資産を増やす。天災や不況の発生を想定する場面もあり「むやみに株に投資せず、環境や社会の影響を考えながら手段を選ぶのが重要だと学んだ」。別の女子生徒も「将来、投資を実際にやるハードルが低くなった」と満足げだ。
 幅広い年齢層の顧客を持つ楽天証券は「資産づくりカレッジ」と称し、年代に応じて資産運用に関する無料講座を開催。3月末、大学生向けに東京都内で開いた講座では社員が「投資はばくちではなく、理論立てて行うことが重要です」と説明し、統計データで分散投資の重要性を解説した。
 参加した大井亮治さん(20)は2月から新NISAを始めたばかりで「参考になった。円の価値が下がると預金ではお金が減っていく状態なので、運用は続けていく」と語る。就職活動中で大阪市から来た辻本明可さん(21)は「就活や将来に生かしたい」と真剣だ。
 学校側にとっては、従来教えていなかった内容を授業に組み込むのは難題だ。専門家を外部から招くなど人員の手当てを含め試行錯誤を重ねる。
 豊島岡女子学園高の50代の家庭科教員は「教師の言葉は生徒にとって重く、投資の良しあしは言わず中立の立場に気を付けている」と明かす。詐欺や金銭トラブルに巻き込まれるのを防ぐためにも金融の仕組みを教える授業に意義を感じ「企業の知恵を借りられるのはありがたい」と話す。
 業界は金融教育のさらなる拡充を求める。日本証券業協会が事務局を務める「金融経済教育を推進する研究会」は今春、国に提出した要望書を公表。家計管理や資産形成などに関する学習内容を集約した教科新設を盛り込んだ。専門知識の不足を感じる高校家庭科の教員が多いとの調査結果も紹介。座長の吉野直行慶応大名誉教授は「専門家が映像やオンラインで部分的に教える手法の導入も有効だ」と提案する。

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