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テーマ : 教育・子育て

親も自分を認め、褒める(蔭山昌弘/スクールカウンセラー)【思春期の心 支える力 受験⑥】

 前回、「子どもが見た親の姿」を書きました。仮に親自身が周囲からどう思われるかを気にして子どもに勉強を強いていると気づいたとしても、まずはありのままの自分を否定せず認めてしまうことです。自覚した上で子どもに接するのと、無自覚で接するのとでは対応が全く異なります。

(イラスト・矢野晶子)
(イラスト・矢野晶子)
受験
受験
(イラスト・矢野晶子)
受験

 今日、親、とりわけ母親は大変な状況に置かれて生活しています。女性が働くことの大変さに加えて、子どものいる家庭では、家事育児の大半を引き受けます。仕事に疲れて家に戻って、一休みする間もなく、家事や夕食の準備に追われ、その上さらに子どもの世話をするわけですから、心身ともに疲労困憊[こんぱい]です。子どもが不登校になってしまったと相談に見える親御さんの話を伺うと、毎日の生活の大変さに加えて数倍の精神的負担を抱えて苦しんでいることがよく分かります。
 そこで、親御さんには次のようにお話ししています。
 日常生活をやりくりしながら子育てしているのだから、まずは毎夜必ず自分を褒めて寝てください。次に、自分の子育てについての過去を責めないでください。その時その時を一生懸命に頑張ってきたのですから。三つ目に、子育てのゴールは子どもの自立だということを常に頭に置いて、子どもは親とは異なる人生を自分の足で歩いて行く存在だと考えてください。転ばないようにと子どもの手助けを頻繁に行うと、いざ本当に転んだとき子どもはどうしていいか分からなくて動けなくなります。たとえ転んでも、立ち上がることを見守り支え続けると子どもは自分で道を切り開いていきます。そこまで親は見守ってください。だから毎日、「我慢して見守ったぞ」と自分を褒めてください―と。
 子どもが大変なときでも「大丈夫、何とかなるよ」と言って親が見守っていると、「安心できて、頑張ろうと思える」と子どもたちは話してくれます。
 (蔭山昌弘・スクールカウンセラー=静岡市葵区)

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