常葉大浜松キャンパス 駅南へ移転発表 浜松市と用地売買仮契約
学校法人常葉大学(静岡市)は22日、JR浜松駅南口近接地(浜松市中央区)の市有地を取得し、常葉大浜松キャンパス(同市浜名区)を移転すると正式に発表した。建設地は高砂小跡地(約9800平方メートル)で、学生と教職員を合わせて2千人近くが中心街周辺に移転する計画。同法人と市は同日、用地売買に関する仮契約を締結した。移転で学生の交通利便性向上、若者の県外流出抑止、中心街周辺のにぎわい創出などの効果が期待される。
現浜松キャンパスの経営、健康プロデュース、保健医療の3学部と大学院健康科学研究科の教育研究活動を原則継続するほか、市民向けの公開講座を開催したり、図書館や食堂、体育館の市民利用を可能にしたりするなどし、地域に根ざしたキャンパスを目指す。校舎は最大6階建てを想定し、災害発生時には一時的な避難場所として活用するという。2028年4月までの開校を目指し、27年度中の供用開始も見据える。
現浜松キャンパスは同駅から北に約13キロの郊外で、交通アクセス面の課題を抱えていた。学生は1640人、教職員は214人(ともに23年5月1日現在)。現在の同大有玉グラウンド(同市中央区)は継続して使用し、現キャンパス跡地の活用策は未定という。
高砂小跡地は駅南口から南東に約600メートルの好立地。08年3月の閉校以降、10年以上にわたって跡地利用が課題だった。市は23年10月、事業者提案の土地利用計画を審査する「プロポーザル方式」の入札によって売却先を公募し、同法人のみが応札した。仮契約額は5億9691万円で、校舎解体工事が終了する今年9月に本契約を行う。 中心街活性化の一助に 木宮健二理事長のコメント 加速化する18歳人口の減少に対して、経営基盤を強化することは最も重要な経営課題で、仮契約締結はこのための第一歩。教育研究活動や地域貢献活動のさらなる充実を図るとともに、中心市街地活性化の促進やにぎわい創出の一助となるよう願っている。 若者中心 にぎわい期待 中野祐介浜松市長のコメント 教育施設の設置による周辺地域のにぎわい創出の提案を受けて常葉大を候補者として選定した。常葉大浜松キャンパスの移転により、まちなかの回遊性が向上するとともに、若者を中心としたにぎわいづくりなど、新たな動きが起こることを期待している。