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テーマ : 教育・子育て

「ツーブロックOK」「防寒着、Pコートじゃなくても」 私たちで決める!校則 静岡県立高校8割超が見直し

 静岡県内の全日制の県立高校の84・1%が2022年度中に校則を改正したことが3日までに、静岡県教委への取材で分かった。理不尽な「ブラック校則」の社会問題化を背景に、文部科学省や県教委が同年度に是正を促したことなどを受け、各校で校則の見直しが進んだことが浮き彫りになった。生徒が主体となって服装や髪形などの改善策を提案する動きも出ている。識者は校則の見直しそのものにも教育効果があると指摘する。

ツーブロックやグレーのセーターなどが認められた伊豆中央高=伊豆の国市
ツーブロックやグレーのセーターなどが認められた伊豆中央高=伊豆の国市

 「新たな規則を提案します」ー。伊豆中央高(伊豆の国市)の生徒会が22年11月に学校側に提出した提言書。従来の校則で「髪形はツーブロック禁止」「防寒着は黒か紺色のPコートかセーターのみ」と定めた部分の変更を求める内容だった。当時生徒会長として作成に携わった3年の小田切俊樹さんは「清潔感のあるツーブロックがなぜ禁止なのか疑問を持っていた」と打ち明ける。全校生徒に実施したアンケートでも同様の意見が寄せられ、提言書の要望に沿ってツーブロックの許可やコートの自由化、白やグレーのセーター着用が認められた。小田切さんは改正後の頭髪検査で「生徒と教員の対立が減り、学校の雰囲気が穏やかになった」と変化を実感している。
 Pコートを指定する同校の校則は約30年前からあった。卒業生の女性(49)は「当時は不満があっても声を上げる生徒はいなかった」と振り返る。ルールを変えようという発想はなかったという。生徒指導担当の影山英伸教諭は「校則を緩めることに不安を感じる教員もいる」と認めつつ、「一方的に指導するのは簡単だが、生徒が規範意識に基づいて自らルールを考えてほしかった」と話す。
 NPO法人カタリバ(東京都)で教員や生徒、保護者の対話を通じた校則見直しを勧める山本晃史さん(33)は「生徒が学校を変えられると思うことで社会を変えられるという思いも強くなる。学校への信頼感や教員との関係にも良い影響を与える」と意義を語った。

1980年代「学校にバイク禁止」 校内暴力で厳格化 変遷、時代映す
 校則に詳しいNPO法人「ストップいじめ!ナビ」(東京都)の須永祐慈副代表によると、多くの学校で1980年ごろ厳しくなった校則は最近までほぼ変更されてこなかったという。
 80年代、校内の窓ガラスを割って回るなど激しさを増す校内暴力を受けて、学校側が管理教育を強化する流れで「バイクで校内に乗り付けてはいけない」「挙手の角度は斜め45度」などの厳格な校則が生まれた。90年には神戸市で朝の通学時に教員が強引に閉めた校門に女子高生が挟まれて死亡した事件などを受けて、校則の運用を緩和する動きも見られた。一方で、その後も生徒や教員が校則に違和感を覚えても校則が当たり前という学校風土が残り、校則自体の見直しにつながらなかったという。
 転機は2017年。生まれつき茶髪なのに校則に基づき黒染めを強要されて不登校になったとして大阪府の女子高生が学校側を提訴し、校則見直しの機運が全国で高まった。須永副代表は「校則改定の動きが出てきたことは評価すべき」と話す。その上で「小手先の改正で終わらせてはいけない」と強調し、校則問題は学校の在り方を考えるきっかけになり得ると説く。

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