子どもに多様な体験を 慶応大教授、静岡でセミナー
秀英予備校(静岡市葵区)はこのほど、教育セミナーを同区で開いた。慶応大の中室牧子教授が講師を務め、科学的根拠で教育を分析する重要性や、「やればできる」と実感できる「自己効力感」の養成が子どもの成長に必要と説いた。
オンラインも含め小中高生の保護者ら約400人が参加した。中室教授は、諸外国の調査結果から将来の収入を高める要素にリーダーシップの発揮やスポーツ経験を挙げ、「勉強だけでない多様な体験が子どもの成長に有効」と話した。
同等の学力を持つ生徒同士が異なる学校に進学した場合、学校内順位が高い生徒の方が大学進学率などが高くなった事例も紹介。相対評価だけで子どもの能力を把握することは困難と指摘した上で、「子どもたちが他人ではなく、『過去の自分』と比較する評価軸を持てるよう、大人が手伝いをしてあげてほしい」と強調した。