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テーマ : 教育・子育て

【ウェブ限定】内申点、中学校ごとに公平?寄せられたご意見【NEXT特捜隊】

 受験生の父親みつるさん(浜松市、50代)から「高校入試で大きなハードルとなる内申点。付け方は中学ごとに公平なのでしょうか?」と投稿を受け、NEXT特捜隊は内申点の仕組みを紹介した( ▶関連記事 内申点、中学校ごとに公平? 浜松市の保護者から疑問)。また、LINEで内申点についてご意見を募ったところ、疑問・もやもや、肯定的なご意見が寄せられた。一部を紹介する。


 内申点に疑問あり 地区によって評価が違う/教員間で不統一/絶対評価は入試に不向き…
 ◆地区により異なる観点別評価(藤枝市、教育関係の女性、40代)
 観点別評価は地区によって違う。例えば「ABB」をある地区では「5」にするが、別の地区では「4」になるといった具合。なので、地区をまたぐ受験をすると不利になる場合がある。内申を出すために、ノートや授業内でのプリントもまめに先生は評価している。でもしょせん、人が評価してるのでいわゆるひいきはあるなと思っている。
 ◆評価者の捉え方による差 否めない(伊豆の国市、中学教員の男性、60代)
 
公式見解では、指導要領に対しての理解達成度を観点別に評価しているので、学校が違うと評価が異なることはないという。しかし、どうしても評価者の捉え方によって、差ができてしまうのは否めないのが現状。
 ◆評定の付け方、市町・学校・教員間で統一されていない(掛川市、匿名の中学教員、40代)
 平等性は全くない。静岡県内で評定の付け方が統一されていない。具体的に言うと、例えば評定の「5」を付けるのに、観点別評価が「AAA」でなければならない市町と「AAB」でも良い市町がある。評定「4」や「3」をつける際も同じように違いがある。入試の合否に大きく関わる。なぜ県教育委員会がこの問題を見過ごしているのか疑問でならない。
 私も中学校教員として、複数の市町に勤めた経験があり、違う方法で評定を付けた経験がある。静岡県内には公立中学の他、私立、国立の中学もあり、評定の付け方は統一されていない。早期の改善を求める。
 また、これ以外にも生徒にとって不利になることが。「ある教員はテスト点の◯%でAを付けるのに、別の教員は△%でなければAを付けない」というように、学校間はおろか、同じ学校内でも統一されていない。子どもたちが苦しんでいる。
 ◆学校間で差異 ないわけない(静岡市、地方公務員の男性、40代
 中学校間で差異がないわけがない。250点満点のテストで平均150点の学校のオール評定「5」と、平均100点の学校のオール「5」が同じですかといえば、それは無理がある。
 ◆難しいテストで付けられた内申点で高校決定(静岡市、男性、50代)
 子どもが通っている中学は、学調よりも定期テストの方が難しいと言われている。他の学校では、そんなことはない。そんな難しいテストで付けられた内申点で高校を決めるのは、おかしくないだろうか。
 ◆市内の高校は「受験不可」基準は?(静岡市、パートの女性、50代)
 中学校により内申点の付け方はバラバラだと思う。子どもが4人いる。一番上の子は「市内では行ける高校がない」と言われた。2番目の子はランクを下げるよう担任に言われたが、子どもが行きたい高校を受験できた。3番目の子は希望校を伝えたら「受験できない」と言われたので違う高校を受験した。4番目の子は、内申点など悲しい状態で一番上の子より成績も悪かったのに「受験できない」と言われるどころか、すんなり市内の高校に受験させてもらえた。何を基準に、市内の高校は受験できないのか。分からない。
 ◆テスト重視が子どものため(浜松市、会社員の女性、30代)
 テストを頑張っても評価されず、やる気をなくす子もいる。もう少し実力に伴った内申か、当日のテストの点数重視にしないと、子どものためにならないと思う。
 ◆学校により内申点の基準が違う よく聞く(静岡市、会社員の男性、50代)
 学校によって内申点の基準が違うのは、昔からよく聞く。テストの点と内申点のバランスがおかしい学校もあるらしく「あそこの学校の内申点は5点マイナスして考えてる」と高校の先生が言っていたことも。また、教員によっては高校の裁量枠の関係で「特定の子の内申点を上げた」という話も、「実際に上げてもらったという子が周りに話してる」というのも耳にする。
 ◆他県の方式も参考にすべき(浜松市、個別指導塾の講師、20代)
 熊本県の高校入試は、3年間の学年評定を利用した上で、当日点で5教科の評定は補正される。特段それが正しいとは思わないが、他県の方式も参考にするべきだと思う。内申点が良い生徒とはどのような生徒なのか明確にしてほしい。
 ◆絶対評価 入試の資料に不向き(掛川市、元教員の男性、60代)
 絶対評価の宿命でもあるが、教員個人の主観はどうしても入ってしまう。相対評価のような決められた評価の割合がない限り、学校、教科、教員によっての評価のバラツキは協議しても出てしまう。絶対評価を同じ土俵に載せて判断すること自体に無理がある。入試の合否を決める微妙な最終ラインに入ってしまった受験生の最終判断材料は、やはり当日の学力検査結果を優先すべきだ。
 現実的にはどの学校でも「相対評価を加味した絶対評価」をしているので、トンデモナイ評価の差は出ないと思うけれど、絶対評価に平等性、信頼性があるわけではない。やはり、入試の資料としては絶対評価は向かないと思う。
 中学校ごとの差は実際あるので、高校側は中学校ごとの評価の甘さ、辛さを綿密に調べることもある。個人的には中学校からは相対評価に戻すべきだと思う。 評定を入試の判断材料にするのであれば、平等性を保つにはそれしかない。絶対評価を続けるのであれば、今以上に合否に関わる当日の学力検査の割合を上げるべきだと思う。
 ◆内申点を常に意識した中学生活 違和感(静岡市、男性、70代)
 例えば体育でスポーツテスト「A」、筆記テストで40点でも、評定「3」だった。理由は準備や片付けに積極的ではないからとのこと。
 先生の質にもよるが、生徒側(親)が文句を言えないように、やれ片付けに積極的ではなかったなど曖昧な感覚での裁量で内申を付けているのは否めない気がする。「内申点」を常に意識している中学校生活には違和感を覚える。
 ◆現行の内申点制度、評価軸が不明瞭(静岡県外、記者の男性、30代)
 現行の内申点制度は大反対。理由は、評価軸が不明瞭で地域格差がある、多様性が担保できない、いじめ被害者を救済できない、将来の可能性を限定するリスクなど。解決策は、入試における「内申点重視」方式と「試験結果重視」方式の併用、文部科学省主導で高校入試形式を全国で統一する、文科省主導での評価指標ガイドラインの策定と評価根拠の全面公開など。
 ◆学力テストの比重 大きくして(藤枝市、主婦の女性、40代)
 高校の入学要件が学力であるなら、学力テストの結果の比重を大きくしてほしい。内申点は先生に好まれる子が高くなる印象があり、公平ではないと感じることがあった。
 内申点に肯定的な意見 教師の評価は必要/日頃の態度評価、助けられた/完全な公平は無理
 ◆学業の総合的判断 妥当(藤枝市、無職の男性、60代)
 子どもの学業成績を総合的に判断する基準としては、まあ妥当なものだと思う。
 ◆教師が評価する内申点 必要(三島市、会社員の男性、40代)
 個人の評価として、高校側が客観的に評価する手段の一つとして、直接子どもを見ている教師が評価する内申点は必要だと思う。
 ◆日頃の様子を評価 内申点制度に助けられた(静岡県外、大学生の女性、20代)
 私はテストの成績より、日頃の授業態度・課題の方が良いタイプだったので、内申点制度に助けられた。また、女子だとテスト当日に生理なこともあるため、普段の様子を点数にしてもらえて助かった。
 だが、先生の主観が入る部分があるため、公平性はないと思う。高校受験の時「あの学校の方が内申点が平均的に高い」という話を聞いてもやもやした。
 ◆好き嫌い判断でなければ良い(浜松市、派遣社員の女性、50代)
 先生がその子の好き嫌いで判断するのでは無いのであれば良いと思う。
 ◆みんな与えられた環境で頑張っている(長泉町、会社員の男性、50代)
 内申点が公平かと言えば、公平ではないかもしれないが、入試の得点だけで決めてしまうことは良いとは思わない。不公平を言ってしまえば、教員の質の差、通学時間の差、家庭環境など、きりがない。みんな、自分に与えられた環境の中で頑張っているもの。大差のないものに対して、不公平を唱えることは、責任を自分以外の物に押し付けているように感じる。
 ◆完全な公平性を望むのは無理(静岡市、塾講師の女性、50代)
 人間がつけるもの。主観が全く入らないことはあり得ない。絶対評価とはいえ、学校により、また教師により、基準がちがうのが当然と受け止めている。完全な公平性を望むのは無理。入試が当日一発勝負になるのもどうかと思うので、仕方ないと割り切っている。
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