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テーマ : 教育・子育て

家庭での子どもへの関わり方 四つのポイント【思春期の心 支える力 不登校⑦】

 家庭で子どもに関わるときのポイントを聞かれた場合、私は次の4点を話します。

(イラスト・矢野晶子)
(イラスト・矢野晶子)

 まずは「にこにこ笑って子どもの話を聴くこと」。子どもは、親が向き合って話をしっかり聴いてくれると、自分を一人の人間として大切にしてくれているという安心感を抱きます。話を聴いてくれなかったり、途中で遮られたりすると、自分を受け入れてもらえないとの思いを抱きます。これが重なると、考えを話しても無駄だとか、自分は大事にされていないんだなどと思ってしまいます。だからまずは、ひとまとまり話を聴くことです。親が意見を言いたければその後で話し、さらに「あなたはどう思う?」と問いかけます。このやりとりが子どもに心の安定をもたらします。
 次に「失敗を受けとめること」。失敗を恐れて挑戦できないとかやる気がでないという子どもが多いのです。友達の目が気になるからですが、失敗は次への意欲と成功への土台を作ります。だから失敗した時こそ「大丈夫、失敗を繰り返して大人になっていくのだから」と子どもを受けとめてやることです。「次にどうやったら失敗しないで済むか」を一緒に考えていくとなお良いと思います。
 そして「しかる時は行為だけ」。子どもをしかる場面はたくさんありますが、その時は行為だけです。「だからあなたは駄目なのよ」「前もそうだったでしょう」などと行為以外のことを付け加えてしかるから子どもが反発するのであって、行為だけなら「仕方ない」と受けとめます。
 最後に「親も弱みを見せる」。親が失敗や弱みを見せると子どもは安心します。「親もそういう時があるって分かると、自分もうまくいかない時があってもいいし、家で弱音を吐いてもいいんだって思えるんですけど…」と、以前、いじめられていることを親に言えずにいた生徒が話してくれました。
 (蔭山昌弘・スクールカウンセラー=静岡市葵区)

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