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テーマ : 教育・子育て

教員採用合格者5年連続減 静岡県教委、受験者確保対策を検討

 静岡県教委が公表した2023年度の公立学校教員採用選考試験の結果によると、最終合格者は522人で、前年度より18人減少した。倍率は3・7倍で、前年度から0・3ポイント下がった。志願者、受験者とも右肩下がりの中、県教委は教員のなり手を一人でも多く確保しようと、試験を受けやすい環境の整備を検討している。

県公立学校教員採用試験の推移
県公立学校教員採用試験の推移

 県教委によると、23年度の受験者数は1940人で前年度比211人減。最終合格者の内訳は小学校203人(倍率2・5倍)、中学校108人(4・9倍)、高校102人(5・5倍)、特別支援学校小学部49人(1・6倍)、同中学部47人(2・5倍)など。
 多様な人材を教育現場に取り入れることを目的とした特別選考では、教職経験者が112人、看護師経験者者が2人、障害者と民間企業での勤務経験者がそれぞれ1人合格した。
 最終合格者の減少は5年連続。県教委義務教育課によると、小中学校の教員は23年度当初時点で定数に対し76人不足していた。産休・育休取得者や特別支援学級の増加に伴う人員補充が追いつかず、不足幅は年々広がっているという。
 教員不足は全国共通の課題になっていて、各都道府県教委は対策に乗り出している。山梨県は24年度に実施する教員採用試験の1次検査(筆記検査)を大学3年生も受けられるようにした。面接などの2次検査は翌年度に受ける。3年時に1次検査が不合格になった学生は、4年時に再挑戦できる。同県教委の担当者は「早い段階で山梨県の教員になるという目標設定をしてもらうとともに、意欲ある学生に受験機会を増やすことで人材確保につなげたい」と話す。
 静岡県教委も年々早期化している民間企業の採用に対抗して、24年度は採用試験を例年より約2カ月早めて優れた人材の確保を目指す。教職課程がある県内主要大学の1、2年生を対象にした教職ガイダンスを実施したり、中高生向けのセミナーを開催したりして、教員の仕事の魅力発信にも努めている。担当者は「筆記試験の見直しや特別選考の継続、拡大など、より受験しやすい環境を整備できるよう検討したい」と話した。
 (政治部・豊竹喬)

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